魔法の国の話(クロスオーバー)

『子供は嫌いだ』、かつてカリグラはそうボソリと言ってきた。その割にはラディたちを甘やかしたりとしていたが、それは物分りがよくパーソナルスペースが分かっているからと彼はいってきていた。
マレウスもラディたちに近いからであろうか?、この様子からしてかなり彼がマレウスに色々と教えていたように思う。マレウスの様子が気になって、とも話していたし少なからずカリグラにとってマレウスという存在はかなり気にかける存在なのだろう。
「(あいつにとって、大事な……)」胸がチクリと痛む、自分に向ける感情とは違うとはいえカリグラがそうやって心配する存在なのだから。
自分は、カリグラだけなのに……カリグラの事しか考えていないのに。だがマレウスが悪い奴ではないことはよくわかった、少なくとも人を顎で使ったり偉そうぶったりするようなものたちとは違うということが。
「人の子よ」
「ん??」ぐるぐると考えていると、マレウスが改めてというように声をかけてきた。その綺麗な翡翠の瞳を向けて不敵な笑みを浮かべて。
「改めての挨拶をしよう…僕はマレウス・ドラコニア。夜の眷属にして、茨の谷次期国王そしてこのディアソムニア寮の寮長を務める。…我が敬愛すべきカリグラ様の番の人の子よ、もしお前が茨の谷にきたときは宴に招待しよう」
「あっ、あぁ………オレは、ラディッツだ」
「そうか…、いい響きの名だ。ではお前に…、"夜の祝福あれ"」マレウスがそう呟くとぱっと緑の光球たちがあたりをまわる。どうやら、夜の眷属たちの挨拶らしくどこかあたたかい。
なんだ、なんだとなってるうちに光球は自分の中へと入ってきた。心地よく、すこし微睡みそうだ。
「なんだ、マレウス……猫ちゃんに祝福でも与えたか?」
14/20ページ
スキ