花籠9

「ジロジロとみてきて何だ、じじい」
「いやなに……親友とナエから言われた一言になるほどなと」あの二人からは大きい子供…大童と度々言われていた。その言葉に自分は毎度酷いなーと笑って言っていたが、なるほど確かにその通り。
信長も新しい物好きで何でもかんでも試したがってたり、六魔…国重のことを扱い盛大に暴れてたりしていたがそのクラスの気持ちくらいはある。
ラディッツのことをからかったのも若い彼に対して未来の…今の自分がどのような感じになるかという実験の気持ちでしてきたのは今わかる。
「好奇心は猫を殺す、というがまさにそれだなぁ」ミイラ取りがミイラになる、ともいうがまさか若い自分によってラディッツが窮地におとされるそうになるとは。
「ほぉ、俺によっててめえの恋人が死にかけたからってか?」
「人のつぶやきを聞いてそれか、…好奇心旺盛なのは俺のいい所ではあるがここで悪く働くとはなと」
「そうかよ、俺はお前がなぜあの雑魚に惚れたか未だ分からねえが…。少し楽しみではあるがね?、てめえの言う通りその愛という陳腐なものを教えてくれる存在が現れるかと思うとよ」
「…そうだな、あいつと会えば色々と変わる」何度も、何度も思ってしまう。彼女と出会ってよかったと、そして彼女から愛という穢れのない本当の感情を教えてもらえてよかったのだと。
おそらく他のものものであれば自分はろくに学ぶこともなく、気ままに破壊を楽しんで生きてきただろう。純粋な神でありそして愛情深い皇嵐だからこそ素直に飲み込めてしれたものなのだ。
「あいつ、ね…。あの雑魚じゃねえんだろ?」
「そうだ、あとは帰ってからのお楽しみだ」こいつが皇嵐と出会ってからどうなるかはひっそりと覗いてやるか。
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