花籠9

「猫ちゃん、なんだそのことばは」
「へぇ~…、真面目にてめえからは見物料でもとるかぁ?」くくっと笑う若い彼にラディッツは、確かに金をとるほどのと話してしまい恋人であるカリグラからの冷たい怒りを感じてしまう。
相当怒ってるのか真顔で目に光がない、若いカリグラが戻ったあとのおしおきがかなり恐ろしいものになることは凄くわかる。
でも、その先にある甘い快楽を想像するとラディッツは思わず顔を赤く染めてしまった。
「……ヤラシーことでも考えてんのか?」
「見るな」ばっとカリグラに隠されてラディッツはまた声を高くあげてしまう。
「見たくねえよ、俺は男にたたねえし。じじいがなぜ落ちたかもマジでわからねえ」
「猫ちゃんがかわいいからな」
「っ!、飯作る…!!」サラリと可愛い、と言ってくるカリグラに悶えながらも恥ずかしくてでも嬉しくてラディッツは照れ隠しで彼のマントで身体を包んでキッチンへと向かう。
「…布の妖精か?」
「んな可愛いもんでもねえだろう」
「可愛いぞ、猫ちゃんは。お前に分かられるつもりもないがな」ああ若い自分のあからさまな気持ちわりぃという顔は傍から見れば、マゾが喜びそうなものなのだろう。冷たい瞳にあからさまに嫌そうな口……お生憎様自分であるためそそられるものも無いしむしろ腹立つものでしかない。
皇嵐に対してよくこんな荒々しいやつを受け入れてくれたな、と改めて考えてしまう。いや荒々しくあったのはラディッツに話した通り周りへの牽制のためでもあるが。
「…別に俺の前ではそんな威嚇しなくてもいいと思うがな、所詮俺だ。…そう荒々しくいる理由もわかっている」
「ろくでなしなてめえの前でやるもんもねえが?」
「お前、自分に言ってるって分かってるか…?」
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