「ああいなかったぞ」ケラケラと笑うカリグラに、確かにこのようにしていればできるわけもないし作るわけもないかとラディッツは納得してしまう。 皇嵐にであったとはいえ、ガイウス（カリギュラ）という親友を作ったのは彼の中での大きな変化なのかもしれない。
「……」
「作る必要もなかった、必要性も感じなかった。所詮俺を理解できるのは俺だけだ、と思ってきてたからな」
「…そう、か……」カリグラの言葉を聞いてラディッツはずきっと心が痛む感覚を覚える。こいつはどれだけの時間、ひとりで居たのだろうと。自分が予測できないほどの長い期間一人でいて、寂しくなかったのかと。
「寂しくなかったのか？」
「全くだ、諦めてもいたからな俺は他と違うそもそも人間は俺だけ。……家畜共に理解されるわけがない、と」だがそうだな……、とカリグラは苦笑し呟く。ああその言葉、それに全てのおもいがのっているとラディッツは感じた。
「皇嵐に出会ってからは…少し感じたくらいだ、己があまりにも名前の通りすぎてな」悪魔の子、そのものだと。だが悪くはなかった、ならば彼女のために全てができるでは無いかとカリグラのその顔は自嘲気味でありながらも自信ありげで彼女に心底惚れていたとあらわしていた。
ラディッツはそれに悔しい、オレだってと悋気の炎を燃やしてしまう。少し顔を逸らし唇を噛んでいるとすっ、とカリグラの手が頬に触れてくる。
「ちなみに言うが…、先程までお前が若い俺の事を構ってたことにも感じているからな？」
「は？？」
「あいつのためにとセコセコ動いたり……、あー情けないな。早く戻ってくればよかった！、お前が若い俺に？あんなに興味持って話したりするなんてな」
「は！？、あっあれは！むしろ気をつけてたりだな…！！」