花籠7

もしや、それが神格というものだろうか……ラディッツは若いカリグラの言葉にゾッとする。もう、この時点でその器は出来上がっていたのだと。そしてナエの言葉の意味もわかった、ああなるほど……確かに彼は頼もしい。
そして、思わずついて行きたくなると思うのはあると。
「まっ、悠々自適にさせてもらうぜ。…今は機嫌が良いからな?」そうニヤリ、と笑う彼はまさに魔王という言葉にふさわしいほどに悪いものだ。
「……あなたの悠々自適って、人様を椅子にして酒をラッパ飲みするやつでしょ」
「うるせぇーな、喧嘩売ってきたやつがちょうどいい高さだったらそうするだろ」
「しません」
「酒あるなら飲みてぇがよ、…そこのヤツとか」すると若いカリグラが指さしたのはカリグラお気に入りのワインなどが入れられた専用の冷蔵庫だ。
「(あれ絶対開けたらやばいだろ!)」確か親友カリギュラから貰ったやつもあるはずだ、ナエとラディッツは目線を合わせてさすがにダメだと伝える。
「へぇー……、つまりそこに"俺"のがあると?」
「あっあるが他人のだぞ!、いくら未来のお前とはいえ!!(そう思えない性格してるが!)」
「……面白そうじゃねえか、ちったあ楽しめそうだ」
「カリグラ様っ!、さすがにやめましょう!!。僕が持ってきますので!、その前にタバコでも吸っててくださいッッ!」そういいナエはライターとタバコを渡す。ちょうど彼のお気に召すものだったらしく若いカリグラは受け取り吸い始めた。
「……(なんだ!、なんだコイツ!!。急にこんなことし始めて)」
「(暇になったか、果ては…今の自分に興味を持ったのでしょうね)」これはおもったより危険だ、いや今のカリグラならひとつは許すだろうが……その時の機嫌にもよるしカリーやラディッツのことを傷つけたと知れば例え過去の自分だろうと業火のごとく怒り狂うだろう。
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