花籠5

珍しい、ほんとに珍しい。あのナエがここまでのことを叫ぶというのが、そして感情を高ぶらせてることがあまりにも唖然としてしまう。
いい加減にしろ、と時の界王神に切れてるのもあるだろうそしてどうにかこうにかカリグラをおさえつけろというのにも。
「もうこれだから人っ子一人が生き残った、位でも褒めて欲しいものですね……」ブツブツとナエは呟き若いカリグラの様子を見る。
書店ではかなり礼儀正しいのか置かれた椅子に座りあの長い足を伸ばしている。ペラペラとめくり、機械達がカリグラに渡された本を戻しては新しいのを出している。
待て待て、この時間でかなりの量を読んでいるのか。というか、あれ?若いカリグラのほうがカリグラより機械を使いこなしてないか。
「………ナエ、あの……あの若いカリグラのほうが機械を…」
「言わんでください、あの人その辺もう自分でできるようになってボケたので」
「ナエさぁーん、それ言い過ぎじゃ…」
「事実ですよ、だからあの人未だにタブレット使えてない時ありますから」おいカリグラ、今すぐ若い頃の記憶力(機械に関しての)とりもどしてこいとラディッツはおもう。
いやだが、使いこなせないからこそひっそり機能制限付けてるのはあるが…。
ふと見る横顔に見惚れてしまう、片方だけあげていた前髪が少し垂れ下がりいまのカリグラの面影をみせる顔。真剣に見つめる瞳は黒く輝き、周りの色を吸い込むようだ。
「………」若い頃からこの面影はあるのだ、そしてなんと綺麗な瞳だろうか…本当に顔はいい男だ。
「勉強熱心なんだなぁ、カリグラ様」カリーはドヒャーと声をあげ若いカリグラの横に積められた本を見る。昔のものもあれば、現代のもある。
それこそ惑星ベジータのではなく、惑星シャークのものやカナッサ星のものも。
11/15ページ
スキ