花籠5

「よく言うぜ、肺にぶっ刺さりそうになってたのによ」
「肺に!?」それ手加減してたと言うより、殺す気だったのではとラディッツは声を上げる。カリーはそれに、まあまあと2人をたしなめるが危険だったことに変わりは無いし冗談じゃない!。
「落ち着いてくれよ、おそらく…あの人は野生の勘かなにかで治ることもわかってたんだよ。だから刺さらない程度に留めた…、でも怒りはしてたからそれなりの痛みがあるようにしてたわけ」
「…俺もそれなりに強くなったさ、それこそサイヤ人の中でも1番と言ってもいいほどに。でもよ、カリグラ様は……あの人はそれよりはるかに強いあの若さで実力なんだからやべぇよっ。まじで」苦笑しながら語るカリーにラディッツは言葉をつまらせるが、それは確かにそうだと納得する。
若いカリグラならその気になれば、カリーを消すことなんて容易かっただろう。それをしなかった、ということは彼の語るとおり分かっていてしなかったのだ。
「はぁ…」湿っぽい空気の中、ナエのため息が聞こえてくる。カリーはどうしたのですか、とどこか呆れたようなナエに声をかけた。
ナエの方は軽く目を伏せて長いまつ毛を揺らし、面倒だと言いたげにガクッと顔を下げて話す。
「…なにもどうも、あの若いカリグラ様……その時空のところが乱れてしまい戻すのが今は難しそうだとはなしてきたのですよ時の界王神が」
「え!?、カリグラ様のとこの!!?。ひょいと戻しゃーいいじゃないすか」
「……ここに来ちまったせいで乱れた、とかか?」ターレスはナエの言葉にもしや、と答える。以前にもあったことだ、ジレンのとこにPQで向かった時に時の乱れや歪みのせいか連絡が上手く撮れず時間がかかったことが度々ある。
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