花籠5

チクチクと心が未だに痛む、過去のカリグラとはいえ拒絶され『恋人なわけねえだろ』と言われた言葉が深く刺さっているのだ。
ましてや過去のことを聞こうとしてカリグラから距離を取られ、話されなかったこともひっかかっている。
ふと、先程のナエの発言を思い出す。ヤキモチをやき振り回されている、と話していた……でもカリグラはそのような素振りをあまり見せてこなかった。
もし、もしだ。カリグラが己に幻滅されるなど万が一にもありえないが考えていたら?。
「……(オレに嫌われたくもなくて隠していたとか?)」いやいやまさか、だが……確かに己は今過去のカリグラに震えた。あまりにも違い、黒く冷たい瞳が心の臓を刺すように感じたりもしたから。
カリグラはそのように自分が恐れ、避けられることを暗示してなのか?と。
唇をきゅっと噛み締める、彼が彼なりにもし気遣ってくれていたならうれしい……だが同時に自分が彼の過去を恐れてしまったという目の前の現実に心苦しい。
ナエたちは真剣に何かを話している、何でもあの若いカリグラの時空の歪みがあまりにも歪んでいるあまり上手く調節できずてこずっていると。
『カリグラに連絡出来たら良かったのだけど…、彼何故か出なくて』
「はぁ、おおかたビルス様にちょっかいをかけて楽しんでいるのでは?」
『それは有り得るね…、彼ならやりそう』そうしているとカリーの治療がやっと終えたのか、よっと軽快な声が聞こえてくる。
ラディッツは呼吸を深く吸い、落ち着かせてカリーと声をかける。
「傷、治ったのか?」
「ああ何とかなぁ……、あの人無意識になのか手加減してたらしくて綺麗に割れてたから治療してメディカルマシーンに入ったら1発よ」
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