花籠5

「…カリグラ様は、ほんとに20なるまであのような感じだったのですよ。彼が僕に会う前までどう暮らしてたかも、軽くしか知りません……よく本を読んでいたり大人と争い筆舌しがたい程には痛めつけていたのは知っていますが」
「……女とかも、相手、していたと話を聞いたッ」
「……そこまで聞かれたのですか」ナエは目をさらに開きその黒い瞳を丸くさせてラディッツに聞き返す。
「…フォローになるか分かりませんが、昔のです。彼自身欲情してとかは一切ないらしいですし、それをしたあとはタバコを吸ったり色々と匂いをかき消したりとしてましたし…嫁がいるうちのとこに風呂入りに来たりしましたから」
「嫁がいるとこに!?、あいつっ何してるんだ」
「弟君がうるさいから、らしいです」弟……そう言えばどのようなやつか、とカリグラから聞いたことあまりないなとふと思い出す。
弟カカロットの前世らしいが、それくらいしか自分も聞いていない。
「ナエは…会ったのだよな?、その弟に」
「ええ、チームでよく共闘してた時もありますしよく家に帰らないカリグラ様のお迎えにこられてましたから」
「何の話をしてやがるてめえら」若いカリグラが痺れを切らしてか、煙草を加えてまた話しかけてくる。
音もなく来た動作にラディッツはあからさまに驚くが、ナエの方はやはり慣れており目を細めてそんな静かに来ないでくださいと話す。
「うるせえな、癖なんだから仕方ねえだろ」
「毎度臨戦態勢でいるからでしょ、カリグラ様」
「どこでカスから殴られるか分からねえからな」
「貴方みたいな毎度威嚇してきたり、瞬時にその長い足で蹴る方を攻撃する人なんかこんなのほほんとしたとこにはいませんよ」
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