花籠4

今は帰ってきて欲しいような、帰ってきて欲しくないようなそのような感覚だ。
「……」ガチャり、と鍵を開けて部屋に入る。
付き合うならば、とナエもいた家から少し離れて建てた自宅。
すぐにできたことには驚いたものだ、よそで見た屋敷のようでお前建築もできるのだなと感嘆したのがいい思い出。
「へぇー、随分と広いじゃねえか」
「……現在のお前がつくったからな」
「中々いい趣味してるじゃねえか、俺だから当然か」そういいズカズカと入る若い彼の姿はやはり屋敷の主の過去の姿のせいかしっくりくる。
旧型の戦闘服の姿もさまになるほどに。
「……っ」システムキッチンにむかい、買い物袋を置く。大きめの黒い冷蔵庫の扉を開き、かいだしたものを入れていくと後ろから若い彼が来てすっと買ってきた野菜をとってきた。
「おっおい!なんだ!!」
「…へぇー、くいもんも随分と質上がってるじゃねえか」良いんじゃねえの?、と言い上の方へと入れていく。これさり気に若い彼から追い詰められ、所謂壁ドンに近い姿勢ではないかと思うと顔に熱が集まる。いや待て、ここにいる彼は彼であってそうではない。
さり気に触れた手はカリグラと違い、やはり生者の熱を持ち暖かかった。己より若いはだはハリもあり陶器のようにスベスベとしていた。
「っお前もそんなにでかいのだから上等なもの食ってるのでは無いのか」
「…あぁ大体肉だがよ、あとはタバコ」は??、え?まてなんといった。
「肉だけか…?」
「タバコと酒だ、あとは」え?、待て……かなり偏食ではないか。あのカリグラが?、ナエ曰く色々とストイックでかなり食えるが栄養のため健康のためと節制していたカリグラが?。
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