花籠4

目の前にいる男の話にラディッツは動揺しつつ聞きいってしまう。
やはり若い彼だからだろうか…、でもやはりカリグラと違いかなり冷めている。少なくとも今のカリグラと比べて愛という部分が欠落しているように思う。必要ないから、要らないから。余分なものだからとかそういうのだろうか。
もっと、もっと冷めて己の知る限り人間の感性のものではないのかもしれない。
「対等だから、という訳でもない時もあるぞ……」少なくとも己の知る限りはあのベジータまでも結婚して子供をなしていた、あんなに舐めていた地球人とだ。
弟だってそうだ、いつの間にか……ああ母と父もそうか。むしろ対等でなったものが少ないのではないだろうか。
「様々なものたちがいる、オレの知る限り舐めていた種族共と子をなしたやつもいるからなっ……」
「理解できねえな、わざわざ弱い奴らとガキ作るなんぞ腹の足しにもならねえ…」
「…カリグラはっ……!」いや待て、あいつもそういえば…己の民の子供をみて目線をあわせ話したがいなくなった途端どこか冷めた目をしていたな。
ラディやリンのことも可愛がっているが、小さい頃だとどうなのだと聞けば『可愛いだろうなぁ……だが、俺は幼子は嫌いだ』と話していた。
冗談だろ、と思っていたがもし目の前の男が若い時の彼なら本当なのだろうか。
「んだよ、そこの俺はちげえのか?」
「…いやっ、なんでもない」
「で、でけえ家の前でぽつんとしてるがここがてめえらのか? 」くいっと示されるといつの間にか我が家に着いていたようだ。気配がない、まだかれは帰ってきてないのだろう。
なんやかんや破壊神たちとは話し込む時は話し込むからそれでなのかもしれない。
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