花籠3

だが愛しいパートナーを傷つけられ、その怒りは想像を絶するものだ。では、今の自分で勝てるか?と言われれば違うということもわかる。
無駄死にするだけだ、あの若いカリグラ…まさに悪のサイヤ人の権化と言ってもいいだろう。一体あれがどうなって、あんな毅然とした皇帝へとなるのだろうか。
今はあの姉妹もほかのとこへと行っていない、リンと会わせれば戦い待ったナシなのがなんとなくでもわかってしまう。
なかなかに荒々しい性格…それにあの口調に、瞬時に攻撃へと切り替えるスタンス……ラディッツの父バーダックと似ている。
「……オヤジさんと似てたな」
「ああ、バーダックか……確かに。遺伝子のなんとかってやつかね、完成形だよ俺がやりてえやつとバーダックの」カリーもふとおもいだすバーダックの動きや最初に出会った頃の口ぶりを記憶の底から思い出す。
荒々しくも洗練された動き、下級戦士でありながらかなりの実力者でもあった。バーダック自身の努力や経験からの学びというものもあるが、あれをみるかぎり遺伝もありそうだと感じる。
「天才か……」カリーは小さくつぶやく、惑星ベジータが在りし日己がよく言われていた言葉。
天に恵まれたものや、生まれつきでずばぬけた才能を持つものを指す言葉。ひとつの才能に突破したものたちをよくさす言葉として使われるらしいが…カリグラはどうであろうか。
奇才であり鬼才、世にも珍しいほどの才能に人間とは思われないほどのずばぬけた能力をもっているではないか。
「俺はそうでも、あの方は違うな」
「どうした、カリー」
「…いや、憧れの人が憧れの通りというかよ…期待をいい意味で裏切ってくれたなって」
15/16ページ
スキ