花籠3

起爆剤くらいにはなるだろう、今の己と同じまま過ごしたなら独占欲というものもあるし若い自分にコケにされたという怒りで何をするかそれも面白い。
なるほど、よく見ればラディッツの首元赤い花の痕が散らされている今の己には気持ち悪くてたまらないがさぞかし未来の自分はほだされてこの男を何回も何回も抱いているのだろう。
「(くだらねぇ、愛だの恋だの……対等には見えねえが)」
「っ…!、随分と好きかってなやつだな」
「おいおい…弱者は強者に従わされる、当たり前のことだろ?」淘汰されて好きなようにされる、それが己が思う世界の真理だ。故に己の力、サイヤ人のなかでも異常で神すら消してしまいそうな力……このようなものを持つ自分は絶対的支配者なのだ。
「……分かった」
「生意気な割には分かってるじゃねえか、安心しろ俺の機嫌がいいうちは殺さねえよ。…ああ、そういえばここに未来の俺がいるならナエのやつもいやがるか?」
「あぁ…」面白そうだな、と笑いラディッツに声をかける。
「ナエも呼べ、あの野郎もいるなら多少は面白いだろ」
「おいナエの子孫、てめえもとっとと傷治してこいしょうがねえから暇つぶしに付き合わせてやる」
「…っ、分かりました」目を細めてみてくる彼にカリーはこれは逆らえないな、となり頷く。幸いなことにここにもマシーンはある。ある程度自己治癒で治したとはいえ完璧とは言い難い。
「カリー、オレが支えるからこっちにもたれかかれ」
「悪ぃな…、あの人がなかなか強くて」ターレスは顔に怒りの色を滲ませて若いカリグラのことを睨みつける。
あのカリーがたった一撃でこれだ、かなりの実力者なのはわかる。
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