ラディッツは今目の前にいる男があの恋人の過去だと？となり、上手く受け入れられず声を出してしまう。
こんなにも冷たいのか？、そして…何も寄せ付けないという目。彼が時折見せる冷たいものと同じだ、だがあれより棘があるかもしれない。なぜ、なんでだ…こんなにも受け入れようとしないのは。
「あ？、誰だ俺の名前を勝手に呼んだのはてめえか雑魚」カリーを蹴りおしのかせ、ラディッツの元へとくる。自分より少し大きい身長、今の彼より小さくはあるがプレッシャーのせいかはるか大きく見える。
「ラディッツ！」肋を抑えカリーが声をかけてくる、あの様子もしかして折れたのか？。
カリーに対して普段好意的に接するカリグラしか見てないため信じられない。
「…っああ」
「随分と生意気な口を叩くじゃねえか、え？ザコ」
「お前の方こそっ、ここのでもないのに我がものツラで居座るなよッ」
「アハハハハッ！、随分と生意気な口を叩くじゃねえか…ラディッツか先程ナエの子孫のやつが言ってたのはよ」獰猛なタカが獲物を掴むような鋭さで首を掴まれる。
バサッと買い物袋をおとし、彼の手を掴むが己の力ではかなうはずもなくミシミシっと鈍い音が聞こえる。
「やめろっっ！」カリーの焦る声が聞こえてくる。か細い息の音しか出せず、若いカリグラを見るがああこの彼の視界には自分は入っていないようだ。
「…俺の名前を呼ぶんじゃねえよ、てめえのことなんざ知らねえな」それはそうだ、若い彼は自分と会ったこともない。だが、カリグラという存在に拒絶されたその事実に今は胸が痛い。
どうにか抵抗しようとするが彼の圧倒的な力にかなう訳もなく、やばい意識が飛びそうだとなったところまたカリーの声が聞こえてきた。