花籠2

今でも思い出せれる、カリグラに初めてあったあの日を。ギラギラとした黒い瞳に、純黒の揺れる長髪…そして若々しくもどこか歴戦の勇士をおもわせる研ぎ澄まされた闘気。
見た目こそ己より若いかと思えば、話す声や口調は己より毅然としており畏怖を覚えさせられた。
あれは若い頃の姿だと後々聞いてわかったが、時の界王神やナエのようすから今と昔では与えられる印象が違うようにも思う。
「はぁ、そんなにあの方の過去を聞きたいならじぶんからきけばいいではないですか」
「だが、…何かはなしたくなさそうだろ……カリグラ」ちびちびと珈琲を飲みつつ話すと、それもそうですねとナエは答える。
「あの方も、一応そう一応元人間でしたし……あるでしょ」
「色々と、か?」
「えぇ、…まっ僕もあの方に許可を貰えたら話しますがねぇ」なんだ、ナエも教えてくれる訳では無いのかとラディッツは少しショックを受ける。
「きけれるかとおもったのだが、だめか?」
「ダメです、仮に僕が話せばあの方すぐにわかってニコニコと迫ってきて消してきそうなので」ナエの話す姿に普段通り淡々としてるが、少し恐れてそうに軽く震えてるころをみて察し無理に話させない方がいいかもしれないと苦笑する。
「…聞けれたら、聞いてみるか…」
「是非に、あの方も多少は話すでしょうから」
「…あぁ」まさか自分にこうやって人を知りたい、もっと欲しいとねだる心があるとは。
サイヤ人らしからぬ心と、あり方に今まで感じることもなかった母の血や感情を感じてなんとも言えない心地になった。
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