テッセンの縛り2

あの時は気まずくて、
『抜いておくか?』と言って枕をぶつけられたなと。戸惑いや気まずさの方が大きかったが特段嫌な気はしなかった。
「別に嫌な感じはしなかったな…、強いて言うなら猫の発情期を見たくらいか?」
「(本当にこのクソ野郎は…)嫌な感じしなかった、という時点であなた人として彼を見てるでしょ。」カリグラは人の好意というものを嫌っている節があった、所詮いつかみな裏切るとかんがえていたからだ。
それこそ、彼が心を開いた相手は極わずかだろう。そう易々と彼自身本心を見せるひとでは無いのだから。
「オマケに、あなた一緒に寝てるじゃないですか。」寝室に人をそう呼ぶことがない彼が、一緒に寝て欲しいとねだられただけでラディッツのことを普通に入れている。
「…言われてみればそうだな。」無自覚かよ、こいつとナエは大きくため息をついた。
「では聞きますがね?、あなた器の彼を部屋に入れますか??。」ナエの質問にカリグラは面白げに静かに笑い、入れてたまるかと答える。
「何をされるかたまったもんじゃない!、俺のラディッツはいれんぞ。」
「そういう事です、あなたもあなたで猫感覚かもしれませんが彼を特別視してるという話ですよ!。」ホンッットにじれったいな!!、とナエは思い言う。
「あっ、ああ。」珍しいナエの声にカリグラは押されつつ返事をする。
「…はぁ、とにかく彼とは向き合ってくださいね。では、僕は休むので。」
「ああ、おやすみ。」1人ぽつんとリビングに居てカリグラはロッキングチェアへともたれかかる。
「…新しい恋、ねえ」この歳で向き合うことになるとは。
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