テッセンの縛り2

自分が今彼と二人っきりでいたくない、と察してからだろう。
「身体、きついだろ?。ちゃんと布団で寝ろ、俺はゆっくりとそこのロッキングチェアにでもいるからな。」おやすみ、とカリグラはそう言って部屋を出た。
バタン、とドアが閉まると同時に身体の力が抜けて床へと座ってしまう。
「…っっ」その優しさが自分には毒だ、酷くされても傷ついて傷ついて立ち直れないのだろう。
だが、ほんとに彼は甘い毒だ……嬉しいその返事と気遣いに感じる自分と妬ましい女諸共殺してやりたいという自分がいる。でも同時に彼を自分だけのにしたい、と強欲な自分までも。
「……疲れた。」ボロボロと花びらだけは自分の口から出てくる、もう………あいつのことを考えるとつかれる。でも好き、惚れた弱みなのだろうか。
とりあえず下着を変えよう…変に汗をかいた服も。
明日には落ち着きたい、とラディッツは考えた。
ーーー
「あら、起きられたのですね。」ナエはロッキングチェアへと座るカリグラへと声をかけた。
「…元から起きてるぞ、ナエ。」おまえ、花吐き病のこと俺に伝えなかったなとカリグラはふだんより低い声でナエへと言う。
その反応にナエはびくり、とするが落ち着いてこたえる。
「えぇ…、貴方様が気づかれた方がいいかとおもいまして。」
「…ほぉ、それは何故だ?。」
「あの方はアナタにすごく恋焦がれてます。好意とは向き合うものでしょ?。」
「……」
「それに…、カリグラ様もいい加減自分のたらし具合の罪深さがわかるかと思いましたので。」
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