あなたが初恋でした

「告白もした、プロポーズもした」
「兄貴、手順ってわかる?」あの聡明な兄貴がなんて馬鹿なことしてんのとなったけど。あの俺様気質の兄貴が皇嵐さまのまえでは少しタジタジになりつつもらしいし、なんならキスもしたらしい。
おれが触れた唇で、兄貴は皇嵐さまと……先にとったのおれだけどねと勝ち誇った気持ちになったのは内緒。
「ああ、だがこれから忙しくなるなー。この星をのっとって………ふふふっくくく…ははははは!!!」兄貴は狂ったように笑い出した、それこそ兄貴によって恋をして狂わされた人たちみたいに。
……ねえ兄貴、そうやって恋をして狂ってそれでもあなたが欲しいとなったのは兄貴に関わったみんな思ってるんだよ。おれもそのひとり。あなただけを見つめてる、と思うのもね。
そしてその夜、すぐ兄貴はどこかに行った……戻ってきたのは翌日の昼だ。姿も何もかも変わって。
「あに、き……?」何その銀色の角に顔、一気にワルガキ風から髪を下ろして…そのオッドアイも。顔のアザも。
「起きてたか、ユリウス……あの椅子近いうち取りいくぞ。」
「えっ」
「もらいにいくのだ、玉座を。根回しもしておいた、今から仕上げくらいだな……1週間も要らんか」
「え、いやいや!?。ほんき!!?、兄貴!」
「大乱があった後に、だろ?。分かってるわ、たわけ…だから復興しながら乗っ取る」
「は!?、むちゃいうなよ!。てかそのすがたと口調なに兄貴ッッ!!」
「…煩わしい、その気分になったんだいつまでもガキでいる訳には行かんからなぁ」今思うと兄貴のやったことはやばかった、チームたちにそれぞれ顔を見せて褒美を与えてどういうやつが王宮にいるとか情報集めてたし。
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