あなたが初恋でした

兄貴はその後もツフル人の人と話したりして、盛り上がっていた。あの人は人と関わるの極端に嫌うけど知識の吸収はとても好きだ。家に帰っても本を読んでたりしてるし。
「兄貴、まだ本を…」
「うるせえ飯はタバコ吸ってるからいいだろ」今思うと兄貴はまあ時々不健康な生活してたと思う。基本は気遣ってある程度バランス整ったの食べてたけど。皇帝となってからはより細かく気遣って。
「兄貴、タバコは飯じゃないよ…」
「は?、俺が飯だと言ったら飯だ」ペラペラと本をめくって読んでは覚えて、そして解釈を広げていく。ほんとにこの人サイヤ人なのかな、戦闘も大好きで誰よりも残虐で乱暴な人だけどそうやって本を読んだりする姿は学者にしか見えない。
兄貴の真剣な鋭い瞳は伝説に出てくる龍のようにキラキラしてかっこいい…、おれと同じ黒色の。でも兄貴の方がギラギラしてるし深い黒。…ほんと、他人が見たら羨ましがりそうな色だし兄貴の白い肌によく映える。
「…ほんと横暴だなぁ」
「なんか言ったか、クソガキ」よく聞こえる耳をお持ちで、ほんとに。でも、この時期から兄貴は喧嘩以外でよく外に出るようになる。
そう、…女の人やたまに男の人相手に色々して本人曰く『突っ込んだりするかよ、あんな奴らに欲情しねえ』と話してたけど。金を貰ってしてたと言ってたな。中には兄貴に本気で恋する人たちもいたけど…兄貴の冷たさと暴言で心折れてやめてたりも。中には本当に狂わされてる人達もいて、押しかける人もいた。その度に兄貴が殺したりしてたっけ。
だから皇嵐様と会った時には、いなかったし兄貴がそういうことをしてた…と知る人もチームの人たちやナエさん、そしておれしかいなかった。
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