あなたが初恋でした

「あ??、てめえに心配されるほどおちぶれちゃいねえよ」くるくるとペンを回しながら兄貴はいう、そうは言っても兄弟として心配できただけだ。兄貴にとっては迷惑なことだろうけど。
「だって兄貴、ムカつくやつを殺したりするし」
「ゴミ処理するだけだ、ばーーか。ろくな人材をよこさねぇ王が悪いだろ」
「それに…、上が良ければ良いほど下もしっかりするもんだ。こうやってうだうだ文句を言ったり、やれ歳若いからだのやれ生まれは下だからだの言って相手の実力も分からねぇやつは死ぬべきだろうが」今思えば、この時から兄貴は皇帝としての才能をかすかに見せてた。当時のおれには上手く分からなかったけど、皇帝カリグラとしての兄を見てて思う。あの時の惑星ベジータは無法地帯と言ってもいいほどのとこだった。
サイヤ人だから、で言われたらおしまいになるけど兄貴が暴れたところや喧嘩を買ってたところはすべて無法地帯として代表のところだ。考えすぎがかもしれねえし、兄貴だからこそので思う…兄貴は王家からこぼれ落ちたところを兄貴なりに整えていたんだ。サイヤ人が宇宙最強としてあるためにも。
上がしっかりしなくては、下も整わない。それなりの姿勢で返してこない、だから兄貴はまず無作法ものたちを分からせてリーダーとしての格の違いをみせつけた。だから自ずと彼らは兄貴に恐れつつも兄貴が100の期待に200や300で返す男とわかったから従い始めた。たまに兄貴が技術がすごいから、と異星人を連れてきた時もあったけど兄貴のチームの人達は『カリグラ様が言うなら』と受け入れてたし…。
「…うっ、うん。兄貴ってホントよく考えてるよね」
「ほかのバカどもが考えねえだけだ」
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