あなたが初恋でした

「ぅぐぇ…おぅえぇ"…!!」全員阿鼻叫喚って言葉が似合うほどの呻き声を上げてる。
「いでぇぇーー!!、いでぇよぉぉ!!!」のたうち回って血を吐く男も。うん、このエリアだけ別じゃねえかなと未だにおれは思い出しながらおもうよ。
対する兄貴は2箱目のタバコを吸ってたし、ほんとタバコとライターはいつでも忘れない人だったな。
「さぁーて、俺の実力はわかったよな?。ニワトリども」
「リーダーの言うことは~?、ぜっったーーい!。つまり俺に逆らうな、俺が人間だ、クズども」語尾に音符がつくほどの上機嫌さに最高の笑顔。みためがととのってるぶん、よりこわいよ…。返り血を顔に着けて、その姿もさまになる。まさに血の池にいる見目麗しい悪魔だ…。それにみほれてしまう、おれもおれだ。
「わっ、わかりましたぁぁ…!」ああ、さすがにプライド高い戦士たちもトラウマクラスの攻撃くらっちまったら従ってしまってた。後にこのチームに兄貴の最初で最後の補佐官になるナエさんもくることになる。そしてこのチームは兄貴のトラウマに怯えながらも最後まで付き従うようになるんだ。皇帝カリグラ、その実力と恐怖に怯えながらも。
「……何しにきやがった、ユリウス」兄貴がチームの人たちをシバキ倒した後、あの返り血の姿でおれに話しかけてきた。
「兄貴の、その、リーダーの、気になって」目を細めてみてくる姿におれはドギマギしてしまう。ほんと、まだ15そこらかよ…当時から大人の色気を持ってた兄貴心臓に悪かったな。
しかも今と違って、少しかすれて乱暴な声。最近は怒ってくれる時にしか聞けない声。好きだった。
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