テッセンの縛り2

「…ラディッツ、どうした。」その時だ、むくりとカリグラが起き上がってきて声をかけてきたのは。
「風邪でも引いたか?。」ああ、あの赤い瞳がまた自分を見てくる。心配そうな顔をして彼は自分に近づいてきた。
「ッ来るな!!」自分のこと好きでもないのに、彼が自分による理由もわかってる。"ラディッツ"だから、孫みたいなものだから。
「っ!」ばっ、とカリグラの手を振り払うと彼は珍しく驚いた顔をして自分を見る。
だが、うっかり見られてしまった。彼に対しての想いが溢れて花を吐くところを。
ジャメギグ…『私を見つめて』、その想いがある花を吐いてしまったのだ。
「…ラディッツ、お前…花吐き病になったのか…?。」
「……」ドクドクと心臓が大きく脈打つ。見られてしまった、見られたくなかった。心を閉ざしたい、今すぐ。こいつに抱く想いを見られたくない。
「……なに泣きそうになってるのだ。」わかってる、自分に今不釣り合いな涙の粒が出てきていることは。だが悲しくなってきたのだ。彼は決して自分を恋愛的に見てくれないとわかって。
「…ッ、うるさい!。オレは寝るッ。」
「…寝てたが、起きたのでは無いのか?。」花吐き病、喉に詰まってきついだろとカリグラは優しく声をかけてきた。ああ、頬に触れる彼の冷たい手が気持ちいい。だがその冷たさが今は素直に受け取れない。
彼の心と自分の心の境界線のように感じるから。
「ッッ…!」
「ラディッツ」低く、耳触りのいい声が聞こえてくる。その声で名前を呼ばれるのは嬉しかった、その声でからかわれる時も彼に見て貰えると思って嬉しかった。
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