テッセンの縛り1

カリグラを見ていると、胸が疼くずっとこちらを見てほしいやその底のしれない心にある苛烈な気持ちを向けて欲しいと思う。
あいつが怒る顔を見ても、恐ろしいや恐怖はあるが「そのでかい感情を向けて欲しい」とめんどくさい女のような気持ちを抱く自分がいる。否定したい、否定したかったーーだが出来なかった。
「…あー、あなた様が皇嵐と一夜の関係だったのは知ってますよ。」カリーが、カリグラと二人で話してるところをたまたま聞いた時どす黒い感情が腹の底から湧き出たから。
「……やはり、な。俺にとってあのひとときは…何事にも変えられないほど甘美で堪らないものだ。」なんだよその顔、明らかに一人の男として女を愛してると言いたげな顔は!。
未だに忘れられないどころか、その気持ちだけで生きていけるといいたげな顔は!!。盗み聞きしている自分が悪いさ、だが、だが、……そんな大きな感情を向けられてる女が憎い。
今その女は、カリグラの器の自分とくっつき結婚をしていることも知っている。なんなら姉妹も持ってることも。自分も交流はある、だが…許せない。
「(なぜカリグラともしてるのだ!)」しかもあんなに愛されて、ああそう言えば言ってたなーあるやつをまもるためーと。
皇嵐と古い付き合い、とは言ってたが…ただのではないじゃないか。愛おしく、恋慕してその一生を捧げるほど惚れてるじゃないか。憎い、女が…あのカリグラに未だ愛されて守られてる彼女が。
「うっ…!」突然腹から込み上げてくるものがあり手洗いへと走る。
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