永久に想う 1

初めて恋して、情緒を乱された。今の今まで灰色の世界だったものが綺麗な清廉な花の女に色づけられた。
何度も、何百回も女に告白をしたが受け入れられず何年もかけて口説いた。彼女が喜ぶ顔を見ると心が乱されつつも暖かくなり、悪くないとなっていた。
その女が、天に咲く華の美しさを持つ皇嵐が…受け入れてくれたのだ自分を。
「…もうっほんとに困ったぼうやね」
「お前もだ」もう一度、と皇嵐へと口付けて次は乱暴にではなく彼女を味わう為にと優しく重ねる。
仙桃のように甘く、甘美な皇嵐の唇。優しく味わうように啄み目線を合わせてもう一度と触れる。
心が満たされる、今の今まで空虚であった心がああやはり自分は彼女で満たされるのだと分かった。もう二度と離すものか、黒き始祖が来ようと彼女がいるならば負ける気もしない。
「…っはぁカリグラ…っその、さすがにここは外よ?」
「……誰も来ないようにしているが、だがそうだな」興奮するあまり忘れていたがいくら自分の空間とはいえ、万が一も有り得る。
「(特にナエなんぞ良い勘してるからなぁ)」未来の自分のところのナエも、直感で自分がピンチだとわかり駆けつけてきたもようだし。
流石にここで発情してヤレば、間違いなくバレる。なんなら外ではなく部屋でしろと至極真っ当なことを言われるのは明白。
「……部屋、行くか?。まだ帰らないで欲しい」
「まだ帰らないわよ」まさかの回答にも嬉しくて微笑を浮かべて皇嵐のことをマントで包み抱き抱える。
「…そいつは嬉しいなぁ、皇嵐のこともっと堪能したいからな」
「甘えたがりね、部屋に戻ったらいいわよ甘えても」
「それはいいな、ぜひに」ゆららさららと藤の花が揺れて祝福を伝える、やっとやっと手に入れた。
ああだがこれからもこの先も貴女のことを愛すと誓おう。
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