永久に想う 1

俺はあいつと違う、皇嵐を手に入れて生き残ってみせると未来透視して強く思い今に至るが…やはり緊張はする。
「随分と手があついじゃない、熱でも出してるの?」庭園まで歩いていると途端皇嵐から声をかけられて心配される。今から自分を口説く男を心配するなんぞ、お人好しがすぎるだろと思いつつカリグラは答えた。
「そうだな、お前への熱は出している……仮にも好きな女と手を繋いでいるのだから」
「あら、それならはなしてあげてもいいのよ?」
「おいおい、いじわるはやめてくれ……叶うならばお前とはずっと繋いでおきたいのだからな」本当の気持ちをはけば、皇嵐はハッとして自分から目をそらす。
そんなこと…しなくてもいいのに、皇嵐が自分のことを淡く男として好いてくれていることは分かっている。だからこそずっと、ずっと待っているのだを受け入れてくれることを、恋人として共に歩まんとしてくれることを。
「……っおばかさんね」
「叶うならば、と願うくらい許してくれないか?。俺はそれ程に皇嵐のことを愛している」着いたぞ、と扉を開き庭へと行けばまさに天界の庭のようにさまざまな花々が咲きほこり2人を迎え入れる。
まさに自然のための超越した箱庭、散々と煌めく花々は誇り高いといいたげに天へと向き咲いている。
少し緑の道を歩いていけば、天蓋へと覆うような藤棚があり紫そしてキラキラと陽の光をまとった白い藤の花が存在を主張していた。皇嵐は驚いたのかその綺麗な瞳を大きく開いて見とれている。
「……綺麗…」
「そいつは良かった、お前の為にと手間をかけて育てたかいがある」皇嵐の髪の毛が風に吹かれてゆらゆらと風鈴のように揺れて陽の光に煌めく。
その黒揚羽に縁取られたような瞳も美しく、見とれてしまい未だ握る皇嵐の手をさらにぎゅっと握る。
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