人であった貴方、私の為にと人をやめた貴方

体格も大きく、下半身のダボッとした感じのズボンもあいまって綺麗に見える。
横顔は職人が掘ったような銅像のような精巧な顔立ち。
周りのものたちもサイヤ人の中でも綺麗な顔立ちではあるが、彼だけは飛び抜けていた。ちがうわ、神でも……悪魔だろうと魔神だろうとかなわないほどにかっこいい。
瞳も黒くギラギラと輝いてる、でも本人は嫌そうな…その眉間に皺を寄せる姿も美しい。
「もしかして……(彼があの倒した男なのかしら?)」全ての所作からそのように見える、ワイングラスの持ち方や立ち姿からも。
そうしていると、ベジータ王から話しかけられて私はビルス達のことについて話したりした。
「相変わらずあのお方は恐ろしいですよ、以前は踏まれたりしたので…」
「全く、あのこは……仕事もできるけどそのへんがあるのよね。…あなた方も乱暴だからふさわしいかもしれないけど」
「ご冗談がキツイものだ…、我々は戦闘民族として生きているだけです」それもその通り、彼らのなかには戦神の血があるのだから。
戦わなくては生きていけない、そして戦いなくてはその力に身を滅ぼされてしまう。
擂牙もそう、かれも闘神としてあるからこそ伯父上のそばでガードマンとしている。今は私のとして……寡黙ではあるが、いざ戦闘となると大太刀をふりまわし切り伏せるもの。
その時の顔も楽しげなことはよく分かるわ。
「(戦に生きるものとして当然のことよね……)少し夜風にあたってくるわ」そう言って、私は擂牙に彼らとの対応を任せて離れた。
やはり神の気質上、あまり外出などしてこなかったもので疲労が多い。
外に出ると夜風が心地いい……。
「星、綺麗ね…」手で髪をすこしかきあげ、キラキラと光る星々を見る。ここからなら少し…天の川も見れるかしらと見上げるとふと黒い影が目に入る。
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