見守り

間に壁があるはずなのに、変に肉の焼ける匂いが伝わってきた。
なんだ、なんだこれはと動揺するしかなくまるでそれはカリグラを助けんとする余へのあの黒王からの警告のようだ。
「…っ!」もうどうしようもならぬというのか、カリグラからも見守っててくれと言われたが…だが最愛の友を助けたいとなるのは余のエゴか?。
膝から崩れ落ちかけたそのとき、眩い光が辺りを包みこみ突風が吹き荒れた。
先程奴がいたとこを見ると、カリグラと同じ髪型を持ち髪色が不気味に変わりまさに異形へと成れ果てた男がいた。
「あれはっ…!」先祖の鬼神の力とカリグラの力の一部を支配してみせたということか。
やつの嗤う声が響き渡る、それはまるで煉獄の扉が開き悪魔たちが感極まって飛び出すようなそのようなものを思わせた。
「っくくく……あーっははははは!!!!!」周りのものたちはやつの笑い声が伸し掛るような感覚があったのだろう、膝を崩すものもいれば耳を塞ぎ聞こえないようにしているものもある。
『やれやれ、やぁーっと目覚めたか』
「っカリグラ……!、そなたが!?」見えるものはいないのだろうか、月鬼というカリグラの器の後ろに半透明に腕を組み立っている友の姿がある。
ラディッツの元にいたかれとはちがう、余がよく見て話したそして恐怖を体現した存在タナトスや悪夢と謳われた友がそこにいた。
やつと同じく歳を重ね落ち着き、厳格なものがあるが…やはり大魔王と呼ばれるだけはあるプレッシャーや言葉にし難い恐怖がある。
ほらな、国重とやら……あやつは出たければこのように出る。
『俺との約束を守れ…、全てを破滅させろ。この辺り一帯をな』
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