ラディッツがあの戦闘から皇嵐様との記憶を忘れたり、ナエの子孫が実は皇嵐さまに恋心を抱いていたりと陳腐な物語が行われていたあと奇怪な出会いがおきていた。
「あれは……」カリグラのもうひとつの半身の男の香りをつけた少年、しかも余が生きた世界線の。何があってかは分からぬが、迷い込みこの世界で生きていたらしい。霞草のような淡い青の髪の毛を持つ少年、名を真堂翼というらしい。
「おい犬」そういい、ラディッツはあの少年をこき使っていた。本人は認めたがらないが、あだ名をつけるあたりそれなりに気に入っているように見える。
少年の方も楽しげに走り、ラディッツの足元へと向かっていた。
「…そういえばむこうの方、カリグラは何も言っておらなかったな」余も黒王の相手などで、ラディッツの方しか見れずではあったが見ていなかったなとふと思い出す。
あのバカ、単純に忘れたかはては……気にしないほどに己と似て何とかするからであろうか。
ラディッツの方を気にかけて欲しい、見守って欲しいといったが片割れに対してはあまり話していなかった友のことを思い出し何故なのかとふとおもう。
だがさしてそこまで気にしなくてもよかろう、と気を逸らした。
「ラディッツ！、翼くんのことあまりいじめないでね」
「いじめてないわ！、だが皇嵐……俺の事もたまには甘やかしてくれないか？」
「歳を考えなさい、あなたの。翼くんよりはるかに上でしょ」そう仲良くやり取りをして、試練を超えより仲良くなった二人を見ているとどこかむず痒いおもいがでてくる。
幸せでよかった、という思いもあるがやはりあの方の隣には………カリグラそなたはたちたくなかったのかと。