「そなたの来世、器は……似ているようで似ていないわ」
「そうだろうよ、俺とこいつは生きてきた経験も環境も違う…。俺のせいで、少し苦労かけてるがな｣淡々とのべるカリグラに相変わらずどこか人間というものに一線を引いてるな、と感じるが"俺のせいで"ということばに余は驚く。あのカリグラが、自分のせいだと？？。
確かにこいつは何かしら己に非があれば多少は認める男ではあった、だが基本自分は悪くはないと言う態度で行きなんならその相手こそ悪くないか？という態度を出していたやつだ。
ラディッツのも力を使いこなせず、やられるとはと見下すかと思ったが……いやあの生前に頼んできたのだ。ある程度ラディッツの才能を認めてなのだろう。
「そなたがそこまで認めてるとはな」
「皇嵐を惚れさせた男だからなぁ…、ある程度出来るやつじゃないとダメだろ？」そういう顔は相変わらず余裕げにしているが、ちりっと嫉妬の炎を目に宿していた。
死んでもなおそう未練があるなら、己がすればいいものを。だが他ならぬ彼女の為にと引いたのだ。
「…いつまでおるつもりだ」
「あと少しでラディッツのからだも最低限治る、それまでだな」
「復活する気は」
「ない、今の所一切ない。俺の時代は終えた、爪痕も残した……ラディッツになにかしらないかぎりはやらん」
「……余にはないのかっ」親友に、何も。
「お前には存分に言ったつもりだ…、それにカリギュラ。俺は身体は死んだが、このとおり魂が生きている。なにかあればお前とも会うさ」そう言い、生前よく余の前で見せていたはにかんだ笑顔を見せてきた。2人して酒を飲み交わし、雑談していた頃の。真円の月が輝き、満たされていた時の。