忘却

くすくす、と皇嵐が面白げに笑って答えた。その声が鈴のように軽やかで花の甘い匂いのようで癒されて、聞き惚れてしまう。
『どうしているってあなた、昨日も話したじゃない。そんなに変わらないわよ』
「だっだがな……!、こんなに離れていたら何があるか分からないだろ!!。」
『あなた、私より年下なのに心配なのね。』
「関係ないだろ!、俺はお前の……!!」
『あなたっ、ませたときと同じね。』嗚呼この女はいつも自分を乱れさせる。戦いの緊張も忘れて彼女の声を聞くことに集中してしまう。
「っ、うるさい!。とにかく俺は心配しているんだ‼」
『あらっ、サイヤ人にそんな「誰だ!、そんなことを言ったのは‼。」ベジータたちよ』
「あいつらのは知るか!」きっぱり、皇嵐が発した言葉に否定を言う。
『ふふっ、わかってるわよ。それよりいまは大丈夫なの?』
「…大丈夫だ、敵陣地から離れの岩穴にいるからな。」
『あら、じゃあ一人でいるのね。』
「…あぁ、あいつらの前でこんなことできるはずないだろ。」からかわれるのは決まっている。ベジータからは、なにされるかもわからないし彼ら二人の前でしようとも思わない。
『そうだったわね…あとどのくらいでもどってこれるのかしら?』
「そうだな、なかなかに広い星だ。3ヶ月くらいじゃないのか?」ベジータたちの調子がよければ二ヶ月だろうな、と岩穴にある大きな石に座り告げる。
『…結構長いわね』
「寂しいのか?」くくっと笑いながら違うと否定されそうだなと思い皇嵐に告げるとそうよと予想外な答えが返ってきてラディッツは思わず落ちそうになる。
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