見守り

部下の息子を抱くのも乙なものではあるが。
肌がほかのサイヤ人とちがうターレスという男の目…、あれは明らかに恋慕してるだろう。本人はカリーが言うからで、"幼馴染"や"ダチ"と言うがそれはまるで自分の心に諦めを付けさせるための呪文にも聞こえる。
「とっとと告白すれば良いものを」何故わざわざお前たちはそのようなつまらない縛りを自らに課すのか……よう分からぬ。
ヤリたければヤれ、殺したければ殺せ。ただただ、欲のまま月の光に導かれるまますればいいのではないか。あの男はターレスは聖人というわけでもないのならば、なおのことだ。
ラディッツ…、あの男は今から遠征に行くのかと声が聞こえてくる。
「ベジータ……」あのカリグラを殺した男たちのことか、ふと思い出す。
ああもう無いものかと思っていた怒りがふつふつと余の中から出てくる。なぜカリグラのことを手にかけた連中が今生きておる?、カリグラの慈悲によって生かされていたのだろ。あの時そなたたちは殺されていてよかったものを、未だのうのうと蔓延っておるのは何故か。
なあカリグラよ、なぜそなたは奴らを生かした。前王なんぞ殺してしまえばよかったのだ、かつて余がしたように。
『俺にも多少慈悲がある、と残しておけばすがるやつもいるだろ?』とかそなたは非常に言いそうだがな。
度々見守っていても気づいてしまう、ラディッツとカリグラは違うこと……だがほんの一瞬日常の瞬間にやつとカリグラが同じだと思わせる行動をすることに。そして、余はそなたのその動作に親友を思い出しては過去に浸ってしまうことにも。
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