見守り

そうして余は死んだ、やがて悪魔となり今では友を殺した男の元にいる。
…こいつが、カリグラの魂を消そうとするから止めるために。
遠くからラディッツの様子を見つめる、幼いあの子は黒王の姪皇嵐を口説きに口説きかかってた。
「ふっ、カリグラの行動のようではないか…」共の彼女へのエスコートを思い出す、あちらの方が流れるようにサラサラとしてたようにおもうが。
「皇嵐!、好きだ!!。」やつの子供の頃もこのようだったのだろうかとおもう。かなり生意気ではあった、と話していたな。
もういない友の過去を思っても仕方ないのかもしれん。この星の空気は不味い……、友の匂いもなく煤けた火の匂いや煙たい砂埃……友がかぐわせていた花々の匂いや春の息吹をおもわせる自然の匂いもない。そして、彼の心のように透き通る夜空と星々の香りも。
「いつまでそうくっつくのよ、生意気!」皇嵐様も…それを感じられているのだろうか。友がいた頃と星の生命が違うことや、雰囲気が変わったことを。少し寂しそうにもされていたから感じてはいたのだろう。
「あまり強く抵抗されてないでは無いか。」チラリ、と見ればまた生意気はとグチグチ言いながらも強く抵抗はしない。
ある種あのラディッツ、というお子様は友に似て根気強く粘るタイプなのだろう。
「……」ラディッツ本人は友とそこまで似ていなかった、昔のはわからんが(話は聞いたことあるが)。
やつは器用で、人の気持ちの機微にもよう気づく男だった。
だからこそこの荒くれ者共をまとめれたのだろう、それだけではなくよその国または星の民や人に対しても。反対にラディッツ、というものは人の負の感情には過敏ではあるが反対の感情には疎かった。生まれというものもあるかもしれないが、やつが閉ざしているからかもしれぬ。
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