ー頼むぜ、カリギュラ。お前しか頼れるやつはいない。またな、世界最悪で最恐な皇帝様ーまた会おう、サイヤ人の最高で孤高なる皇帝。……我が唯一の友（アミーコ）よー
やつはその後死んだ、封印の方が正しいのかもしれん。
カリグラ、そなたが死んで時も過ぎた。なぜ死んだ、なぜ亡くならねばならんのだ我がアミーコ…親友が。誰よりも気高く太陽のごとき光明をもったそなたが、なぜなのだ。
「カリグラ…！」おぉ、と部屋で余は嘆く。窓から忌々しい満月の光が余を照らした。今までなら美しい、と美酒を楽しんだろ。女たちを呼び宴を開いたりもしただろう。だが今は忌々しい、まるで親友の死を歓喜するようで。
だが……、やつが死んだということは今度は余の番だ。
「……近衛隊が、余を殺すのだったな。」嗚呼、かつて己をカリギュラとおがんできた連中がか。馬鹿馬鹿しい、別に殺されるのは構わない。だが、拝んできたきさまたちがかと怒りはある。
神である余を？、人間である貴様たちが。勝手にカリギュラ、と拝み可愛がってきた連中が。
手に充血した痕が残るほど、余は拳を握る。…怒りはわく、今すぐカリグラが教えてくれた人物を殺せば余は生き残れる。だが、だが、友のいない未来をか？と自分は問うてきた。
親友のいないものなど楽しいものなのだろうか、残るものたちは自分を知っている訳でもないのに。
ー俺とお前がいる、それでいいのではないかーかつて、友が話した言葉がよぎる。ああそうか、それでいいのか。
「ならば……余も受け入れようでは無いか。」己の運命を、あの偉大なる皇帝の友とともに。楽しい人生だった、と誇りに思って。