永久に勝てぬ敵

喉を鳴らして笑う姿に、年相応の青年のものが見えるがそれは一瞬で魔王の戯れだとウイスはおもってしまう。
今の暗黒魔界の魔王より…、この男カリグラは格段に強いし彼がふさわしいのではないかと考えてしまう。だがそこだけで治まるような器ではないだろう。ビルスの傷はなかなかに酷いものだが、死ぬほどのものでもない。
「あなた、手加減してましたね」実力を分からせるラインを狙って、そのようなものただのサイヤ人ができる芸当でもない。
「…俺は今回、こいつに実力差を分からせたかったからな」
「破壊神の仕事もわかっている、だが…俺のものに手を出されては困るのでな」それ以外なら構わない、しかし神の手垢が自分のものに着くのも癪なものだ。
「だからやった、見せしめというのでも世界の均衡を保つためにも破壊神が必要なことはわかっているからな」界王神との関係もあるだろ?、とカリグラは話してきてウイスはやはりそこも分かっていたのかと驚く。
「そこまで分かっていて…、私達を利用したのですね」
「なんだ?、お前たち神も人間を利用するだろ。美味いものを食うために、とな。」これくらいいいだろ、とカリグラはケラケラと笑う。広報だ、広報と。
「破壊神とその天使を広報に扱うのはあなたくらいですよ…」そばにこられてより分かる、この男かなり身長もあり体格もでかいが…それより圧倒する雰囲気ギラギラと輝く黒い日輪のようなそのオーラ自分もかなうわけが無いと思い知らされてしまう。
下界にこのような神の中の神と断言してもいい男がいるとは驚きのものだ。大神官である父も把握しているのだろうか。
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