忘却

彼の頭から龍のような角が映えている。何より目だ、黒い宝石を思わせる瞳に片方は紅蓮の焔を連想させらる紅い目…格好も自分と違い国重と似た鎧だ。なぜかラディッツはあの最後の別れの時宮殿で見た男だと思った。
これもヴァルド星の住民の術であろうか。そう思っていると耳元に声が聞こえてきた。
『…違うぞ、ラディッツ。』自分と同じ、でもこちらの方が低く柔らかい音色のような声が。男の方を見れば優しく微笑みを浮かべている。
『幻覚ではない、現実だ。……いずれ忘れる。だがこれだけは言わせてくれ。』
『強くなったな。…あいつを皇嵐をこれからも守ってくれ、そしてお前自身も幸せに暮らせ。…例えこの先が孤独の道であってもだ。』
「??、なにを…キサマはッッ『時間だ。』!!」その時だ、突然眠気が襲ってきたのは。が繰り、と膝を崩し倒れてしまう。
『……やつらはこの星のものどもは2000年前より進化している。いまのお前でも油断すれば殺られるぞ。だから休んでおけ』



目を覚ませばどこかわからない岩穴のなかにいた。まわりには誰もおらず、いるのは自分だけのようだ。
「…俺は、いったい…」あの住民たちを倒したあとの記憶がない。寝ぼけてきたのか?、いやそれなら自分はどれだけ寝ぼけたときが賢いのであろうか。敵の陣地をすり抜けるのだから。確かに皇嵐を押し倒すと言うラッキースケベが何回かあったが。ずきっ、と少し頭が痛む。
「…とりあえず皇嵐に連絡するか。」スカウターに電源をいれて皇嵐に繋げる。
1コールですぐに出た。喜び名前をよぼうとすると
『あはっ、ラディッツ~☆。皇嵐だよん☆』
「今すぐその声をやめろ、バカパクリ。ぶっ殺す」
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