永久に勝てぬ敵

「こんな怪物をいつの間に…!」
「契約してすぐだ。…よぉーし、レヴィアタン…命令だ"喰らえ"」
「ぎぃぁぁぁあああ!!」歓喜の声をレヴィアタンは高らかにあげてビルスの破壊玉をくらいつくしていく。
バリバリと目に入るもの全てを次から次へと大きく口を開き噛み砕き飲み込んでいくのだ。悪魔の象徴とも言われる存在が、カリグラのたった一言に従いこのようになるとは。
「やはりきたね!」破壊玉を食べ終えたあと、レヴィアタンは大きく口を開けてビルスへと襲い掛かる。
予想出来た攻撃ではあったため、ビルスはすぐさま構えて光線を放とうとしたとこ上から声が聞こえてくる。
「俺の勝ちだ、ビルス」カリグラが上にいたのだ。黒く禍々しい剣を空間から出して構え横一文字に斬り夜空の闇をまとう斬撃がビルスへと襲い掛かる。
赤いマントのゆらめきと、炎のような赤い瞳…そこから放たれる攻撃に一瞬そう一瞬美しいと見惚れてしまうが時すでにおそく食らってしまいビルスはそこで意識を手放してしまった。破壊神として何億年も生きてきたのに初めてのことだ。
「ビルス様っっ!」ウイスはすぐさま空中からおちるビルスを抱き抱えようと飛ぶが、カリグラがいつのまにか彼を片手で抱きとめており渡されて受け取る。
この男、ビルスが落ちることも把握してたのかと見ると本人はふっと笑っていた。
「…楽しかったぞ、破壊神との戯れは」
「戯れなどというのは…、あなたくらいではないでしょうか」本来神との戦いなんぞ人間はそうそうするものではない。本能で勝てるわけがない、とわかっているからだ。
「そうか?、今の力も試運転できたからよかったのだがな」
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