永久に勝てぬ敵

ぐっ、と大地を踏みしめる足に力を入れて獲物を仕留める獣のごとく駆けてビルスの目前へと迫る。
なっ、と反応した時には既に遅く顎に強力なアッパーが入り空へと舞い上がる。あたりの景色が一線となるほどの勢いでだ。くるり、と何とかまわり勢いを止めれたがそのときにはカリグラが目の前にいてずっと出された左手から気の風圧をぶつけられてまた吹き飛び今度は嘔吐してしまう。
「ぐふぇ…!?」このじぶんが、ウイスでもシャンパでもほかの破壊神たちでもない相手に圧倒されてるだと。予想以上の実力に驚きを隠せずにいる。
カリグラからの追撃が来て、ビルスは何とか避けたかと思ったがそこにはカリグラの足がありもれなく蹴られ塞ごうとするものなら腕を捕まれ地面へと垂直に投げられ叩き付けられる。
この動き、最低限のさばきかた…間違いないこの男身勝手を極めている。
「…っ!、きみっさては身勝手の極意を…!?」変化も何もない、ただその動き捌き方…流水のような動き無駄のなさ。間違いないのだ。自分ですら未だ極めきれてないところまでしているではないか。
「ああ、そういうのだったな…。そのとおりだ、極めさせてもらっている。」歯を食いしばれよ、そうカリグラが言うと同時にビルスはまた勢いよく殴り飛ばされ岩へとぶつかりクレーターができると同時に吐血する。
「…身勝手の兆し、だったか。そのようなのならばとっくの昔に…ろくに知らんガキだった頃には到達してたぞ。」ガラガラと舞う砂埃の中カリグラは歩き、ビルスへと目線を合わせて微笑む。
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