永久に勝てぬ敵

「こちらのプライベートなようなものだ…、まあそこまで気にしなくていいぞ。ウイス」ふっ、と微笑む目線は優しげで他者を魅了するようなものだ。これはこれは…と一瞬、ウイスもその顔の美しさに見とれてしまう。
天はいくつ、彼にものを与えたのだろうか…いやこの男が天から奪い取ったという表現の方が正しいかもしれない。
「2000年、ねぇ……気になるけど…まあいいさ…このボクに勝つ気でいるんだよねきみはほんとに。」
「本気さ…、俺は仮にも王だ。負けるつもりは無いぞ…、負けを許す気もないこの俺のプライドがな。さあ、早く選べ…俺がきさまに敗北を教えてやる。」今まで無敵無敗で生きてきた自分、魔族すら従えその力を我がものにしようと行動してるのだ。
カリグラが手に入れたい女は、神の中の神…つまり完璧な存在なのだ。その女の隣に立つ自分はより完璧ではなくては、負けなどという汚点は必要ない。破壊神にすら圧倒できる自分、その肩書きが真なる最強の言葉が欲しいのだ。
「ほんとに欲深い男だね……、ウイス!」ビルスもビルスでこの男の絶対的な自信を持ち立つ姿は好ましく思うが、それは自分に歯向かわなければの場合だ。
その傲岸不遜な顔を歪めてやる、と思いウイスへと声をかけてテレポートを行う。
「わかりましたよ、ビルス様。」二回、杖が床を叩く音がひびきわたる。
カァーン……、と響くと同時に自然豊かなオアシスのような星へとくる。
「なるほど…、ここか。」惑星ベジータから僅かばかり離れた星だ。戦士時代、目に着けていたところでもある。
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