永久に勝てぬ敵

だがカリグラは、消えることは愚かダメージひとつもなくむしろビルスの拳を人差し指一本で止めてビルスの顔を見る。
「…"お座り"、だ。」突然の言葉、その重圧に何故か突然身体の力が抜けて膝から崩れ落ちる。
なぜだ、一体何が起きたとビルスは混乱する。神である自分が目の前にいる男に跪いたからだ。
「…っっ!」
「あれはッ…原初悪魔の…!?(その力すら我がものにしてるのですか)」楽しみだとか、面白いとかそんな範疇の話ではない。おぞましい、ただそれだけ。目の前にいる男は…ただの化け物だと突きつけられる。
この男…王というもので収まるような器ではない、不思議なものだ。今自分も彼に従わなくてはならないのではと考えがよぎってしまったのだから。もしかしたらこの男は…、ほんとにひとりですべてを支配できるのではないだろうか。
「ここで暴れるなビルス…どうせならばもっとひろいところでしたくはないか?。」こんな宮殿ひとつなんぞ狭くてしょうがなくないか?、とカリグラはくすくすと笑い話してくる。
「ひろいところで、だって…?。」
「そうだ、…ああハンデをひとつやろう。どこかお前たちが知ってる星で戦って構わん、そして、俺がもし…負けたらお前の好きなように破壊しろ。億が一の可能性のひとつとしてまああるかもしれんからな?。」負ける可能性が、とカリグラは言葉を続ける。この態度…この男、自分が負けるとは本当の意味で思っていない。
むしろ何かを企んでそうな様子だ。だが、おかしいとちらりとビルスは先程まで自分が座っていた椅子を見る。破壊の力によって砂になっていた部分がいつの間にか戻っているのだ。
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