新しい弟子との話

自然豊かなナメック星をモチーフとしたエリアで爆撃のような音が響き渡っていく、空気砲が爆発したような音も響き渡る中水面に墜落する水鳥のように落ちていく青い髪の女が目に入る。
大きな水柱がたち、ぷはぁ!!と息を吐きゼェゼェと乱しながら小島に手を掴み上がる女……サイヤ人のマリンがいた。

「師匠~!!?、ほんっっとに手加減してるんですよね!?ねえ!」

まっったくそう見えませんよ!!!とマリンは心からの叫びを持って声をあげる。
師匠と呼ばれた男は空中で胡座をかいて、ニヤリと笑い面白げにマリンのことを見ていた。

「手加減も足加減もしてるぞ?、だから俺は魔物を召喚してやってたではないか」
「それ手加減ですか~!!?、いじめの間違いですよねーーーっっ!!!!。そんなに酷いからラディッツさんにもドS言われるんですよッ!!」
「褒め言葉だな」
「鬼畜ッッ!!!」

鬼畜と言われる男、2000年以上前の元サイヤ人の男にして人外のカリグラはそんなマリンの言葉はそよ風のように聞き流して楽しく笑う。
かつて惚れた女のために命をはり亡くなったカリグラ、マリンがいうラディッツとは別時空のラディッツの前世としてあったものだ。2000年以上前には全ての時空世界あらゆる星も支配し、あのビルスから『絶対なる皇帝』そして『僕の花神』と称されるほどのカリスマ性と実力を持ちあらゆるものがひれ伏すほどの絶対的な男だった。
今ではひょんなことから復活のようなものを遂げて、後輩たちを時々育てるようなことをしている。マリンがいうラディッツとは恋仲となったもののこと戦闘においては厳しく、まさにスパルタのような教育をしているのだ。そしてそれは女であるマリンにも時には容赦をしない、己が従えた八百万の魔物をつかい扱いて攻撃を避けきれなければ威圧感だけで地面へと突き刺す。
女だろうとまもりたいものがあるなら、ギリギリまでおのれを追い詰めて実力を出せとしてきているのだ。

「私ッ!、師匠みたいにそんなすごい力もないのですからね!?」
「当たり前だろ?、俺みたいなやつどこにいる。是非に連れてきてくれ!、いるならな!!」
「煽りが本当に酷すぎるッ!!」
「お前が恋人のナメック星人を守れるほど強くなりたいと言ってだろうが……、はぁぁそもそも戦闘型ナメック星人はそれなりの力もある。サイヤ人の上級ですらかなうかどうかだぞ?」
「でっ、でもフリーザみたいな……」
「あんなのは稀だ、稀。そうそう会うものでもない」

うぐっ…、とマリンはカリグラからの言葉に飲み込む。でも、何があってもおかしくないのだ。
ネイルに何かがあると嫌だ、好きな人には傷ついて欲しくない。まもりたいとおもうのはおかしいことなのだろうか。

「……すこしでも、まもりたいじゃないですか。師匠はっ、どうなんですか?」
「俺?」
「師匠は、その、2000年前のサイヤ人なんですよね?。しかも、一度死んだというっ」
「そうだな」
「…だっ、だから、どうしてなのかなーと?」

少しの間鍛えてもらったり会話もしていておもったことだ、カリグラの実力はかなりのものだ。
戦闘が他のサイヤ人と比べて苦手な自分であっても強者のことはよくわかる、カリグラのそれは達人と呼ばれるものを超えている。己の時空のビルスのそばに居るアノンもカリグラのことを知っていた、神すら震え上がる男。下手な破壊神であれば彼を雷神のようにこわがり裸足で逃げ出すという。そんな男が、命を失ったのだ。それはどうしてなのか、噂に女をまもるためときいたが実際どうなのかとマリンは気になってしまった。

「…当時好きだった女神を守るため、だ。色々と因果もあってなぁ……結果、心臓をある銃でうたれてやって死んだくらいか?」
「サラッと言う話じゃないッッ!!」

想像以上の言葉とカリグラの軽いノリな話し方、本来ならしんみりとくるはずがそうともいえない。

「そういうものだぞ、俺にとってはな。まっ、使えん時の界王神とかのもあってだがァ……お前がナメック星人のやつをまもりたいというように俺もまもりたかったわけだ、結果心臓が撃ち抜かれてなぁ~!。いやはや銃は意外と痛かったな!!」
「なに食レポみたいに語ってるんですか!!??」
「そう感じたからだが」
「師匠~~っっ!!??」

しんみりと来てもいい話のはずなのに、この男そうともさせてくれない!。
さながら辛ラーメンをたべて意外と舌に響きました、でも美味しかったですというようにこの師匠は語る。そんな雰囲気で語るものではないはずなのに。

「そんなものだ、お前のような若人が気にするものでもない。…老人から学べ、命を張れるところでは張れ。それ以外はとにかく生きろ、という話だ」
「惚れた男を護りたい?、いい事だ。だが男にとってもお前は生きていてもらいたい存在だ、特殊能力という点においてはサイヤ人にも引けを取らないナメック星人。奴らが中々出来んのは死者の蘇生だ、…おのれをまもって女がなくなるというのは辛いもんだぞ」
「っ!?」
「だからとにかく生き残れ、ベジータどもは逃げて生き残ろうと情けないやつと言うかもしれんが逃げれば勝ちな時もある。逃げたと見せかけて、敵に不意打ちをしてもいいそれも戦略の一つだ。……わかったか?、勝てば官軍という話だ」

静かに鶴のように自分の方まで舞い降りて見下ろしながら語るカリグラの姿は、話に聞いていた通りの皇帝の姿だ。
ああこれは破壊神もナメック星人たちも、『絶対なる皇帝』と崇める程に綺麗で美しい。先程までの飄々とした姿がうそのようで、マリンは口を開けたまま彼の話を静かに聞く。

「良いか、カカロット共が使う変身も戦闘のひとつで確かに勝ちを取るためにはいいだろう。だがあんなのたまたまくじ運でいいのを引き当てたようなものだ。本来ならできぬことだからな?、…戦闘が苦手なお前は逃げを覚えろ。とにかく生き残り、相手が疲れたところの意表をつけ」
「…逃げたお前に首を取られる敵を見るのはさぞかし痛快で楽しいぞ?。悔しがる敵の顔を見てみたいだろう」

そのまた不敵に微笑む顔はやはり頼もしく、自分のしるサイヤ人の王とは違う気高さがあった。意地悪で、厳しい師匠だがやはりいざと言う時は頼りになる。
この人について行けば、強くなれる気がするとマリンはおもい力強く返事をした。

「っはい!!」
「ところで師匠、私の頬引っ張ったりたまに水に落とすのはなんですか?」
「子犬があわあわするの面白くないか?、猫ちゃん(ラディッツ)とともに慌ててる姿が面白くてな」
「やっぱ性格はろくでもないっっ!!!」

先程までの感動を返して欲しいと思いつつ、この師匠からの弄りがたまに癖になるマリンであった。
後日ネイルにカリグラについて話をしたところ、ナメック星で古来から崇められる全知全能神──ユピテルと呼ばれてたことを知り卒倒してこけたマリンだった。

「あんなに性格悪くて!、いじわるなのに!?。いっいや……たまぁーに?たまぁぁーーーに優しいとこは?あるけどぉぉ~!!??」

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