永久に勝てぬ敵

ビルスは、地球から土産で持ってきた寿司を食べ終わったあとダラリとしながらウイスに声をかけた。予言魚の発言以外でふと思い出したことがあったからだ。
「…あの悟空とか言うやつ、゛あの男″の弟だよね…?」黒く特徴的な長い髪に銀色の角を持った男…、その横にいた特徴的な髪型をした長い髪の男と比べて小柄な戦士。悟空はそういえばあいつとにていた。
「…はい、そしてあなたが初めて負けた男の…弟の生まれ変わりですね。」だからか!、とビルスは謎が解けたと言いたげに声をあげた。
「神の力を吸収したのか!。兄はあいつの力を使えなかったけど…そっくりだったねぇ…」見た目はね、とビルスは呟いた。そして悟空は……ああそうか、あいつの魂を封印する為にとその才は少し受け継がれていたのか。
「あの男…ラディッツでしたね。あなたが初めて破壊神として惨敗した男の魂を持った男は。」
「でも、半分だろ?。…カリグラ=ガイウス。あの男より強くて、恐ろしいやつをボクは知らないよ。」ビルスは、スゥ…と金色の目を細めて記憶の海に浸った…。
「そう…カリグラより強くて、頭がよくて、才色兼美で…正に全てを支配する帝だと言うサイヤ人もいや…人も神も魔も知らないよ…」
「カリグラと戦ったのは、二千年から少し前でしたね…」
「覚えているよ…あの事はね。」忘れられるわけもない、忘れられない。己に対して真っ向から啖呵を切り、言葉を申してきた男なんぞ。
全王にすら恐れをなさず自由気ままに世界や宇宙を渡り、支配してみせた男のことなんぞ。
1/23ページ
スキ