拝啓、私の好きなお父さん
私の父は下級戦士、と呼ばれる位にいた人です。今では絶滅危惧種のような扱いの父、故郷は不幸で滅びてしまったと話していました。
「おとうさんは、故郷に帰りたいとかないの?」
「……ないな、俺にとってお前たちがいるところが帰るべき場所だからなぁ」そんなことを薄氷を浮かべたような瞳で言うおとうさんはどこか近くて遠い存在。
父にとって故郷、というものは心にかけるようなものでもなくただの生まれた場所くらいだった。父の話しぶりは誰よりも冷たくどこか達観としていた。普段母と話す時の父は感情豊かで、表情もコロコロ変わる人だった。子供の私たちより母にくっつく時もあれば私たちを抱えて甘える時もある。
「しょうがない人ね」母からそう言われて、呆れられつつも相手してもらっていた。
父はそんな両親たちに達観してたくせに私たちのことはすごく溺愛してくれていた。
「気になっていたもの買ってきたぞ」そう言ってケーキを届けてくれたり、遠征を終えたあとはお土産やその星について話してくれたりとしていた。
「あそこは水が豊富だ、…上手く使えば生産所として儲けができる」
「生産所?」
「野菜や食物を育てるところだ、他にも使いようはあるだろうがな」そう話す父の姿は下級戦士と言うよりフリーザ様のような統治者に見えた。なんでこの人は下級戦士なんかしてるのだろう?、そう思うほどに話してくれて教えてくれた。
正直、幼子ながら父のことをすごい人だと思ったし時折全く違う人に見える時がある。すごく遠くに……、そう彼岸の先にいるような人に見えたり。王様と話してるような気持ちになっていた。
「お父さんって王様みたい」
「…ジョーダンを言うな、俺はただの下級戦士だ」父は苦笑いを浮かべつつ私の言葉に頭を撫でたけど、そしたらなんなのだろうとおもう。
父の周りはすごい人だらけ、上級戦士でザーボンさん達にも物申せるカリーさん。クラッシャー軍団のリーダーのターレス、…一応上司のサイヤ人の王子ベジータにその側近のナッパ。本当に、本当にたくさんの人がいる。
何より──私の母であり父の妻は、原初の創造神。
「生意気、今度の遠征はいつなの?」
「少し休みを取ったからな…、1週間後くらいか」
「あら、意外とゆっくりできるのね」
「たまには家族といたいからな、カリーたちの事務仕事手伝えば誤魔化しもできる」
「ふふふっ!、相変わらずなんだから」仲のいい夫婦だったと思う、少なくとも父は母をかなり愛していた。お母さんのこととなるとかなり饒舌になるし、それこそヤンデレ?と呼ばれる属性にもなるような。
時々カリーさんの宇宙船を借りてよその星に出かけることもあったけど、お父さんは絶対母のことを手放さなかった。
「あなた、ちょっと離れなさい!」
「嫌だ」キッパリと目をかっぴらいてそばに居るほどに、かなり好きすぎて思考能力が下がるほどには。
「オヤジウザイ」幼い妹から父はそう呼ばれるほどお母さんのこと好きで愛していた。
だけどそんな父も厳しく豹変することがある、それは戦闘の訓練だ。
「っ!!?」
「…意識を飛ばすな、もう一度やれ」トレーニングルームを借りて気弾を正確に当てる練習の時、何度も何回もやって意識を飛ばしそうになった。
「身体に染み付くほどに覚えろ、瞬時に構えられるほどにはな。…もう一度意識を飛ばしてみろ、冷水をかけてやる」ベジータたちのもキツイと聞いたが父のはかなり酷かった、すぐに構えられるようにうてれるようにと叩き入れられたし鍛えられた。
たしかに父の戦闘力は低かったかもしれないが、私相手の時は信じられないほどに強かったと思う。
「…っはい!」父はとにかく厳しかった、生き残るために私がやりきる為にと教えてくれた。
本当は他のことを職として生きて欲しい、と言われたこともある。でもこれは私が選んだ道、父と共に戦士として歩みたかったから。
「力みすぎるな、力をある程度抜いて的に真っ直ぐ伸ばせ!」
「そこっ!悠長に構えていると殺されるぞッッ!!!」
「っ!!?はいっ!」父は足技も強かったが、特に気弾は強かった。スナイパーのように当ててみせたり物を盾にして視界をさえぎったりと色々と工夫していた。
父は戦闘を楽しむということがなかった、一撃で仕留めて終わらせる。先手必勝または後の手を使う人だった。殺るとするならば殺戮で相手を脅す、じわじわと仕留めるように。
「…死神みたい…」父の戦闘を近くで見てきた私が抱いた印象はまさにそのひとつだった。
ベジータ王子やナッパさんが苛烈で戦士のようだとしたら父のは静かな死神だと。自然と見惚れた、父の戦い方はすごいと思った。
「…ラディッツの?、おまえには合わないんじゃないかラディ」
「でもタレ……私、お父さんみたいにやりたい…」
「あいつにはあいつの戦い方がある、お前はお前のやり方…そいつを見つけたらいいさ」タレはなんでも知ってた、お父さんより年上で戦い方や神話についてよく知っていたタレ。
お母さんが妹に付きっきりだった時は、時々様子を見にきてくれては寝物語をきかせてくれた。
タレは近所のおじさんというか、そんな感じで接してくれた。そうして戦闘の仕方を教えてくれる時もあればよその星の文化を教えてくれたりお洋服をくれたりもしてくれた。
「前、可愛いものが好きと言ってただろう?。オレからのプレゼント」
「うんっ!ありがとう!!、タレ!」本当に、本当に楽しい日々を過ごしていた。
だけど幸せというものは突然消える星のように消えゆくもの。お母さんがいなくなった、そこから父は病み始めた。私と妹のことを大事に育ててはくれたけど、父が私たちを見る顔はどこか辛くそして悲しそうだった。
「…悪かった…」父は、よく謝ってきた。母をまもれなかったと。そんなのは私も同じ、私は妹をまもることしかできなかったから。
『幸せに生きて』母の最後の言葉は私たち家族に託した願いだ、妹は母と幼い頃に離れてしまったためあまり覚えてない。
ただ、覚えてるのは『優しくてお人好しな人』それくらいらしい。
「親父が好きそうなタイプって感じ、それくらい」いもうとは父そっくりだった、タレいわく幼い頃のラディッツが性別変えて戻ってきたようだと。
「…あのくらいの頃からひねくれてたからなぁ」タレはやれやれとため息をついて成長した妹のことも見ていた、カリーさんも。
父とそっくりな妹が正直羨ましかった、妹は父に似てるせいかお父さんにかなり反抗的で言うことも聞かないでも私のことはすごく聞いてくれる。
「お姉ちゃんのためなら頑張っちゃうし、私も戦士になろうかな♡」
「…大変だよ?」
「ううん!、お姉ちゃんと離れないならやるよ。
お姉ちゃんに近づけるヤツら殺せるし合法的にフリーザの名のもと」
「そッッれは、違うかな…?」でも妹はなってみせた、父とそっくりな死神の戦士に。フリーザ様も認めるほどに強く、あのような子がいるならば早くに教えてくださいといわれるほど。
「…ラディッツさんと違って、かなり強いようで」違う、…父は力を抑えてるんだとフリーザ様に何故か私は言えなかった。分かられちゃダメだと思って。
私たちの力も抑えつつ動かないといけないと。妹のことを父が最後まで鍛えて、私は基礎は父で後半からはタレやカリーさんが教えてくれた。
「ラディは真っ向からの方があってるよ、お前なかなかなパワーあるし…意外とお前が伝説の超サイヤ人になれたりしてな」
「あくまで伝説だろ?、あれ」
「…いや、ありゃあ事実なんだよなぁ」
「伝説の?、超サイヤ人…??」
「今度教えてやるよ、まっ知ってる限りのだけど」カリーさんからそう言われて私は頭を撫でられた、なんなんだろうと思いながら。
時が過ぎていき、父は少しづつ落ち着いて言ってるかと思っていたがそれは違った。
「…やっと、やっと見つけたぞ…!」暗闇の部屋の中父は書に埋もれながら言っていたことは分かる。
一体何を?、そう聞く前に父は遠征で私も妹を連れてタレやカリーさんと行くことになった。
未だに私は忘れない、少し休憩していた時…そう誕生日のときに父から連絡が来た。
『誕生日おめでとう、ラディ』
「あっ、ありがとう…!。ねえ、お父さんっ今宇宙ポッド??。なんか声が聞こえづらくて」
『…悪いな、今から地球に向かおうとしている。プレゼント、届けに行くから楽しみにしてろよ』
「ちきゅう…?、うっうん!。楽しみにしてるっ」私は馬鹿だ、あの時なんで地球に??となんでひとりなのと聞けばよかったのに。
なんで、どうして……その後お気楽な私が連絡を繋げたあと聞こえたのは父の断末魔と撃ち抜かれる音。そして───軽くしか話されたことがなかった、叔父の声だった。
「えっ」そこからは覚えてない、ただスカウターを落としたことだけ覚えている。父がくれたスカウター、初めて聞いた叔父から…来たプレゼントは父の死だった。
10/12…それは私の誕生日であり、この瞬間父の命日となった。タレとカリーさんは何かを察したかのように歯を食いしばっていた。
「サイヤ人3人っ…!」
「オレたちのことっ、省きやがったな…!!」タレは近くにあった岩を蹴り崩した、スカウターを握りつぶして。珍しい慟哭しか聞こえなかった。
私はあの後暴れたらしい、妹からとめられても一切聞かず。
ひたすら父のことを呼んで、なんで、どうしてと。
「ゆる、さないっ…!ゆるせない…っ!!
カカロット…ッ!地球もッ!!なにもかも滅んでしまえっっ!!!!」心からの慟哭を叫びをあげて、私はあの時自分のことを恨んだ。
ねえお父さん、なんであの時地球に行ったの。そしてどうして弟のことを迎えに行ったの、違う…とわかってる。あなたは誰よりも弟という存在をどうでもいいとしてたから。
ベジータの方がまだ身内に情があるほどだった、その後ドラゴンボールの話を聞いた私たちは準備をしていこうと話した。
「ま、ベジータたちが先に使うよな。…俺たちはそのあとでもいいだろ」カリーさんが話したあと、タレは神精樹のついでにとオレが地球に行くと話してきた。
「…時期は考えるがね、様子見くらいはしておくさ」
「頼むぜ、ターレス」だけどその後…タレも死んだ、カリーさんのあの時の怒りは壮絶なものだった。
「…消してやるぜ、カカロット…」私もだよ、カリーさん。
ねえカカロット、そしてその子供どんな気持ちなの己の身内を殺して薄氷の上の幸せを堪能するのは
ああ、あなた達も守りたいって気持ちもあるんだっけ
「馬鹿馬鹿しい…」ねえお母さん、私は幸せだったよ。でもね不幸を押し付けられてきたんだ、理不尽だよね。
だからさ、次は私があいつらから奪うんだ。奪われる前に奪え、弱者は強者の言うことを聞く存在だとお父さんの血がいうから。
「…壊してあげるよ、その幸福も」私はラディ──、強戦士族サイヤ人の一流戦士の子供だから。
「おとうさんは、故郷に帰りたいとかないの?」
「……ないな、俺にとってお前たちがいるところが帰るべき場所だからなぁ」そんなことを薄氷を浮かべたような瞳で言うおとうさんはどこか近くて遠い存在。
父にとって故郷、というものは心にかけるようなものでもなくただの生まれた場所くらいだった。父の話しぶりは誰よりも冷たくどこか達観としていた。普段母と話す時の父は感情豊かで、表情もコロコロ変わる人だった。子供の私たちより母にくっつく時もあれば私たちを抱えて甘える時もある。
「しょうがない人ね」母からそう言われて、呆れられつつも相手してもらっていた。
父はそんな両親たちに達観してたくせに私たちのことはすごく溺愛してくれていた。
「気になっていたもの買ってきたぞ」そう言ってケーキを届けてくれたり、遠征を終えたあとはお土産やその星について話してくれたりとしていた。
「あそこは水が豊富だ、…上手く使えば生産所として儲けができる」
「生産所?」
「野菜や食物を育てるところだ、他にも使いようはあるだろうがな」そう話す父の姿は下級戦士と言うよりフリーザ様のような統治者に見えた。なんでこの人は下級戦士なんかしてるのだろう?、そう思うほどに話してくれて教えてくれた。
正直、幼子ながら父のことをすごい人だと思ったし時折全く違う人に見える時がある。すごく遠くに……、そう彼岸の先にいるような人に見えたり。王様と話してるような気持ちになっていた。
「お父さんって王様みたい」
「…ジョーダンを言うな、俺はただの下級戦士だ」父は苦笑いを浮かべつつ私の言葉に頭を撫でたけど、そしたらなんなのだろうとおもう。
父の周りはすごい人だらけ、上級戦士でザーボンさん達にも物申せるカリーさん。クラッシャー軍団のリーダーのターレス、…一応上司のサイヤ人の王子ベジータにその側近のナッパ。本当に、本当にたくさんの人がいる。
何より──私の母であり父の妻は、原初の創造神。
「生意気、今度の遠征はいつなの?」
「少し休みを取ったからな…、1週間後くらいか」
「あら、意外とゆっくりできるのね」
「たまには家族といたいからな、カリーたちの事務仕事手伝えば誤魔化しもできる」
「ふふふっ!、相変わらずなんだから」仲のいい夫婦だったと思う、少なくとも父は母をかなり愛していた。お母さんのこととなるとかなり饒舌になるし、それこそヤンデレ?と呼ばれる属性にもなるような。
時々カリーさんの宇宙船を借りてよその星に出かけることもあったけど、お父さんは絶対母のことを手放さなかった。
「あなた、ちょっと離れなさい!」
「嫌だ」キッパリと目をかっぴらいてそばに居るほどに、かなり好きすぎて思考能力が下がるほどには。
「オヤジウザイ」幼い妹から父はそう呼ばれるほどお母さんのこと好きで愛していた。
だけどそんな父も厳しく豹変することがある、それは戦闘の訓練だ。
「っ!!?」
「…意識を飛ばすな、もう一度やれ」トレーニングルームを借りて気弾を正確に当てる練習の時、何度も何回もやって意識を飛ばしそうになった。
「身体に染み付くほどに覚えろ、瞬時に構えられるほどにはな。…もう一度意識を飛ばしてみろ、冷水をかけてやる」ベジータたちのもキツイと聞いたが父のはかなり酷かった、すぐに構えられるようにうてれるようにと叩き入れられたし鍛えられた。
たしかに父の戦闘力は低かったかもしれないが、私相手の時は信じられないほどに強かったと思う。
「…っはい!」父はとにかく厳しかった、生き残るために私がやりきる為にと教えてくれた。
本当は他のことを職として生きて欲しい、と言われたこともある。でもこれは私が選んだ道、父と共に戦士として歩みたかったから。
「力みすぎるな、力をある程度抜いて的に真っ直ぐ伸ばせ!」
「そこっ!悠長に構えていると殺されるぞッッ!!!」
「っ!!?はいっ!」父は足技も強かったが、特に気弾は強かった。スナイパーのように当ててみせたり物を盾にして視界をさえぎったりと色々と工夫していた。
父は戦闘を楽しむということがなかった、一撃で仕留めて終わらせる。先手必勝または後の手を使う人だった。殺るとするならば殺戮で相手を脅す、じわじわと仕留めるように。
「…死神みたい…」父の戦闘を近くで見てきた私が抱いた印象はまさにそのひとつだった。
ベジータ王子やナッパさんが苛烈で戦士のようだとしたら父のは静かな死神だと。自然と見惚れた、父の戦い方はすごいと思った。
「…ラディッツの?、おまえには合わないんじゃないかラディ」
「でもタレ……私、お父さんみたいにやりたい…」
「あいつにはあいつの戦い方がある、お前はお前のやり方…そいつを見つけたらいいさ」タレはなんでも知ってた、お父さんより年上で戦い方や神話についてよく知っていたタレ。
お母さんが妹に付きっきりだった時は、時々様子を見にきてくれては寝物語をきかせてくれた。
タレは近所のおじさんというか、そんな感じで接してくれた。そうして戦闘の仕方を教えてくれる時もあればよその星の文化を教えてくれたりお洋服をくれたりもしてくれた。
「前、可愛いものが好きと言ってただろう?。オレからのプレゼント」
「うんっ!ありがとう!!、タレ!」本当に、本当に楽しい日々を過ごしていた。
だけど幸せというものは突然消える星のように消えゆくもの。お母さんがいなくなった、そこから父は病み始めた。私と妹のことを大事に育ててはくれたけど、父が私たちを見る顔はどこか辛くそして悲しそうだった。
「…悪かった…」父は、よく謝ってきた。母をまもれなかったと。そんなのは私も同じ、私は妹をまもることしかできなかったから。
『幸せに生きて』母の最後の言葉は私たち家族に託した願いだ、妹は母と幼い頃に離れてしまったためあまり覚えてない。
ただ、覚えてるのは『優しくてお人好しな人』それくらいらしい。
「親父が好きそうなタイプって感じ、それくらい」いもうとは父そっくりだった、タレいわく幼い頃のラディッツが性別変えて戻ってきたようだと。
「…あのくらいの頃からひねくれてたからなぁ」タレはやれやれとため息をついて成長した妹のことも見ていた、カリーさんも。
父とそっくりな妹が正直羨ましかった、妹は父に似てるせいかお父さんにかなり反抗的で言うことも聞かないでも私のことはすごく聞いてくれる。
「お姉ちゃんのためなら頑張っちゃうし、私も戦士になろうかな♡」
「…大変だよ?」
「ううん!、お姉ちゃんと離れないならやるよ。
お姉ちゃんに近づけるヤツら殺せるし合法的にフリーザの名のもと」
「そッッれは、違うかな…?」でも妹はなってみせた、父とそっくりな死神の戦士に。フリーザ様も認めるほどに強く、あのような子がいるならば早くに教えてくださいといわれるほど。
「…ラディッツさんと違って、かなり強いようで」違う、…父は力を抑えてるんだとフリーザ様に何故か私は言えなかった。分かられちゃダメだと思って。
私たちの力も抑えつつ動かないといけないと。妹のことを父が最後まで鍛えて、私は基礎は父で後半からはタレやカリーさんが教えてくれた。
「ラディは真っ向からの方があってるよ、お前なかなかなパワーあるし…意外とお前が伝説の超サイヤ人になれたりしてな」
「あくまで伝説だろ?、あれ」
「…いや、ありゃあ事実なんだよなぁ」
「伝説の?、超サイヤ人…??」
「今度教えてやるよ、まっ知ってる限りのだけど」カリーさんからそう言われて私は頭を撫でられた、なんなんだろうと思いながら。
時が過ぎていき、父は少しづつ落ち着いて言ってるかと思っていたがそれは違った。
「…やっと、やっと見つけたぞ…!」暗闇の部屋の中父は書に埋もれながら言っていたことは分かる。
一体何を?、そう聞く前に父は遠征で私も妹を連れてタレやカリーさんと行くことになった。
未だに私は忘れない、少し休憩していた時…そう誕生日のときに父から連絡が来た。
『誕生日おめでとう、ラディ』
「あっ、ありがとう…!。ねえ、お父さんっ今宇宙ポッド??。なんか声が聞こえづらくて」
『…悪いな、今から地球に向かおうとしている。プレゼント、届けに行くから楽しみにしてろよ』
「ちきゅう…?、うっうん!。楽しみにしてるっ」私は馬鹿だ、あの時なんで地球に??となんでひとりなのと聞けばよかったのに。
なんで、どうして……その後お気楽な私が連絡を繋げたあと聞こえたのは父の断末魔と撃ち抜かれる音。そして───軽くしか話されたことがなかった、叔父の声だった。
「えっ」そこからは覚えてない、ただスカウターを落としたことだけ覚えている。父がくれたスカウター、初めて聞いた叔父から…来たプレゼントは父の死だった。
10/12…それは私の誕生日であり、この瞬間父の命日となった。タレとカリーさんは何かを察したかのように歯を食いしばっていた。
「サイヤ人3人っ…!」
「オレたちのことっ、省きやがったな…!!」タレは近くにあった岩を蹴り崩した、スカウターを握りつぶして。珍しい慟哭しか聞こえなかった。
私はあの後暴れたらしい、妹からとめられても一切聞かず。
ひたすら父のことを呼んで、なんで、どうしてと。
「ゆる、さないっ…!ゆるせない…っ!!
カカロット…ッ!地球もッ!!なにもかも滅んでしまえっっ!!!!」心からの慟哭を叫びをあげて、私はあの時自分のことを恨んだ。
ねえお父さん、なんであの時地球に行ったの。そしてどうして弟のことを迎えに行ったの、違う…とわかってる。あなたは誰よりも弟という存在をどうでもいいとしてたから。
ベジータの方がまだ身内に情があるほどだった、その後ドラゴンボールの話を聞いた私たちは準備をしていこうと話した。
「ま、ベジータたちが先に使うよな。…俺たちはそのあとでもいいだろ」カリーさんが話したあと、タレは神精樹のついでにとオレが地球に行くと話してきた。
「…時期は考えるがね、様子見くらいはしておくさ」
「頼むぜ、ターレス」だけどその後…タレも死んだ、カリーさんのあの時の怒りは壮絶なものだった。
「…消してやるぜ、カカロット…」私もだよ、カリーさん。
ねえカカロット、そしてその子供どんな気持ちなの己の身内を殺して薄氷の上の幸せを堪能するのは
ああ、あなた達も守りたいって気持ちもあるんだっけ
「馬鹿馬鹿しい…」ねえお母さん、私は幸せだったよ。でもね不幸を押し付けられてきたんだ、理不尽だよね。
だからさ、次は私があいつらから奪うんだ。奪われる前に奪え、弱者は強者の言うことを聞く存在だとお父さんの血がいうから。
「…壊してあげるよ、その幸福も」私はラディ──、強戦士族サイヤ人の一流戦士の子供だから。
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