友/訓練

「百獣の王はどんな生き物でも、狩りをする時は全力だ。」そうか、こいつはドラゴンを囮にして自分を貫いたのだとラディッツはわかる。
「こっ、このやろぉぉ…!」貫いた腕を引き抜き、カリグラはにたりとわらう。ラディッツの傷はゆっくりとだが塞がってきている。
そういうことか、いくら死にかけようと再生していく。ああ、自分の肉が繋がる音なんてそうそう体験出来んものを聞いてるなとおもう。
「だがいい線までいったぞ?、ほれ。あとはそのからだのだ、全身にめぐらせて腹に力を集中させろ。深く息を吸いつつ、な…」いやもう肺もボロボロでできないのだが、とラディッツは素直に思う。
「それはお前が何も体のことわかっちゃいないからさ、サイヤ人はそうやって死にかけの時にこそ力を発揮する。感覚を研ぎ澄ませてみろ。」血液がダラダラと流れてるのはわかる、だが集中してみるとそれ以外のものたちが辺りにちらばってるのはなんとなくわかった。
こいつらを集めればいいのだろうか?、ゆっくりと息を吸いつつ小さい欠片のようなものたちを集めていく。
そして、出来た塊一つ一つを腹部へとゆっくり集め空いたパズルのピースを埋め込むようにしていった。
「っがはごほっ!」むせて咳き込んでしまう、だが不思議と腹に力入れたのに痛くない…傷を見るとふさがっていた。
「なっ、なんだこれは。」
「細胞の修復だ、そいつに関してはサイヤ人の力のひとつだな。」傷を直ぐに治し、戦闘に行けるようにする為の。自然治癒力。
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