友/訓練

「ぼちぼち考えるか…」己の力で無理くりさせるのはできるとはいえ、皇嵐のことも心配だ。
トワたちを上手く活用して道を作るという地道な作業しか今ないな、となり鎧を脱ぎ着替え始める。
ラフな格好になり、カリグラは寝ているラディッツに近づいた。
「…随分と爆睡してるな。」一応、俺の部屋なのだがとなり少し垂れてる前髪を撫でる。
「心許してるのかなんなのか…」こんなに近づいてるのに起きる気配は一切ない、…俺のとこのラディッツたちならすぐ起き上がって飛び蹴り食らわしてきそうだがなぁと器2人を頭に浮かべた。
ほんとに孫ができたみたいだ、とおもうそういえばよその星に行った時老人が
『子が可愛ければ孫も可愛い』と話してたなと思い出した。なるほど、そのようなものかもしれないとカリグラは考える。己にそんな感情があると思わなかったが。
「…明日にするか、訓練。」飯も食ってるならそれがいいだろう、と考えラディッツを起こさないように静かに部屋を出た。
「着替えられましたか。」
「さすがにお前の家ではな…。」リビングにある椅子に座りながらカリグラはいう。
昔の住まいであればよく命を狙われていたため、ギリギリまで鎧を着ていた。自分が気に入ってるのもあるが。
「それは結構。僕がいるので、安全ですよ。基本は。」そう言ってナエは冷蔵庫からワインをひとつ出す。
机に置いてるグラスにゆっくりと注いだ。
「なんだ、酒か。」
「……あなたの、親友からですよ。」
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