友/訓練

おおかた自分が壊したから、とか言うのであろう。そのへんカリグラは律儀だ、…ただ度々口説くような発言が見られるから危険なのだが。癖というかなんというか、彼は皇嵐に会ってからよりたらしに磨きかけている。
真面目にカリグラのことを知らないものからすると、ラディッツを口説いてるの?状態である。
「…あの方はホント鈍感なのか、果はわざとなのか。」どちらとも、であろう。あの若い頃持っていた茨の棘のごとき鋭さを奥にひそめつつ。
ー客室ー
ガチャり、となるべく音を小さくしてカリグラは扉を開けてはいる。閉じて、ベッドの方を見るとナエの言う通りラディッツは眠っていた。
軽くまるまったよう寝てて、治癒から回復してなのだろうなとカリグラは納得する。
「…寝てるか。」試しに額に触れてみる、先程自分と話してた時少し微熱が出てそうな感じであったが今は無事落ち着いてる。己より高めの暖かい体温に思わず微笑む。
流石我が欠片を持つもの、回復力も早く魔術への適応も早い。本人は気づいてるか分からないが、トワの魔術を押さえ込み奥底に閉まっているのだ。
「(これはちゃんと教えれば、力のオンオフも分けれそうだな)…楽しみだ。」彼に教えて強くなるのが、そしてどのような道を歩んでくれるか。超サイヤ人より強いものとなり、王子に勝ち新たな王となる道を歩むか…。
果ては自分のように人でもなく神でもない、神を食らう化け物となるか。はては我が眷属となるのか。嗚呼楽しみだ。おのれの器のラディッツは後者を化け物の道を選ばんとし、封印されたが。
「…奴の事もいつか助けれたら良いが。」今はまだ早い、黒王はおそらく今回のトワの様子で何かを察するだろう。そう派手に動けれない、そういう意味でもカリーは目線をそらす存在として手に入れたくはある。
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