対面

チクッ…チクッ…、秒針の刻む音が頭に聞こえてくる。
腹部が熱い、そうか先程あの男に身体を貫かれた。己とそっくりな見た目、そして声。あの男は何者だ、ベジータたちに報告を………いや待て。
「っ、かはっっ!」激痛からの息苦しさから一気に起き上がる。呼吸を整え、頭の中で状況を整理する。なぜ、オレは生きている?。明らかにあれは死んだだろ、…辺りを見回す。誰かの自宅のようだ。天井が高く、高価なものであろうランプやベッドだ。…誰のだ?、見たとこキングサイズのだ。
自分はそこに寝かされていた。綺麗な家具、一度だけ見た惑星ベジータの王子の部屋のような雰囲気。
誰かに助けられたのか?、いやでもと腹部を見る。上半身は脱がされ(下ははいてる)、汗も拭かれている。…穴がない、傷跡すらも。
「…ここはどこだ」やっと落ち着いてみれば、純粋な疑問が出てくる。あのよなのか、そんなわけが無さそうだ。
ガチャり、と部屋の扉が開く音が聞こえた。
「…起きたか。」
「お前はッ…!」そこには、先程見た男…カリグラがいた。いやだが、少し老けているように見える30代くらいだろうか。目も違う、オッドアイとよばれるものだ。しかも角が生え、戦闘のときに見た見慣れた戦闘服から魔王のような鎧を着ている。
どういうことだ??、と頭が混乱する。こいつは先程の男の父親か?。いや兄か??。
「…あー、安心しろ。先程お前を殺したやつだ。」さらり、とカリグラは答えた。
「オレは、死んだよな…?」
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