始まり、始まり

トランクスとパートナーがトワたちの介入により改変されかけた悟空の歴史を変え終えた頃……。
暗雲が月を覆い隠すような夜中、ラディッツの遺体から黒い不気味な霧が出てそれは人の形を成した。出てきた男は双方違う色を持つ瞳を開けた。それはまるで化け物のようで、ひとたび目が合えば体が凍りつくような殺気を持っていた。
「あーー……、俺はどれくらい寝てた?。2000年と少しか…ラディッツのやつ、あんな男に負けるとはな…いやだがナメック星人もいたからなぁ。」いや待て、と男はいう。地面から黒い球体を出し、画面のように先程までの流れの映像を出した。
「タイムパトロール……、トランクス…そしてその相棒……トワ、ミラ…ほぉベジータの末裔か…そして暗黒魔界…俺がいない間に随分と楽しいことになっているのだな…。これは、時の界王神の考えだろう……面白い。久方ぶりに挨拶しに行ってやるか。この俺が直々にな。」左の赤い瞳を輝かせて男はその場から霧とともに消えた。
男の名はカリグラ=ガイウス、2000年前の惑星ベジータの王にして史上最強のサイヤ人と言われたものだ。そして、トワや時の界王神が恐怖のあまり忘れようとした存在でもある。
2人は忘れていたのだ、この男カリグラは歪みがうまれたときに目覚めてしまうことを。
「…俺のことを忘れてもらっては困るなぁ。時の界王神……そして、トワよ。俺の眠りを妨げた罪は重いぞ……」カリグラは力の強さのあまり、魂を二つに分けて封印された。
ひとつは別世界に、そしてもうひとつはここラディッツの魂の中に。そのうちの一つが今目覚めたのだ。
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