御目見

カリグラのように運命に抗い、己の手で切り開くようにはあまり見えなかった。
だが、彼という存在が大きいそれは本人が自覚できないほどにというのはよくわかった。
「(己の才能もわかってなさそうだった…)彼はあなたのような自信が無いようには見えましたよ。」卑屈で虚栄の強さをはる、そのように少なくともカリグラの器のもの以外のラディッツにはそれを感じる。彼自身の才能は誰よりもあるはずなのに。
「自信か…、それはそうだ。」
「やつは、バーダックという父親に心折られてたからな。」だから憎んだ、似ている弟を。だから諦めた、似ていない自分のことを。
カリグラからすると己の才能に気づいてないからこそ起きた悲劇だな、とおもう。
「訓練もだが戦術を勉強すれば、やつはより優れた戦士になったろうな。」
「…敵はそこもわかってですかね。」
「それはあるのでは無いか?、見たとこ相手を選別してるように見えるからな。」感心感心、とカリグラは軽く耳をかきながらいう。
「まぁ、試し打ちにあいつはいいと思うが…!」びーー!びー!!!と時の界王神との通信機がなる。
「俺は出んぞ。」
「いや出てください、契約でしょ。」
「チッ!、テレパシーできるだろ。…なんだ」
『カリグラ!?、あんたちょっとこっち来て!!。』
「飯食った後なんだが」
『はぁ!?、アンタっそんなの必要ないでしょ!。お願いとにかく来て!!、あんたにしかお願いできないことあるの!。』
「OK、めんどくさいやつだな。…行ってやるからまってろ。」通信機を切り、カリグラは立ち上がる。
「…行くぞ、ナエ。」
「はい、カリグラ様。」
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