御目見

未練、というのにはあまりにも醜い。
恨み、というのにはあまりにも輝かしいようなそんな思いを。あなたがいたら変わったであろう、と常々考えてしまう。だからやめた、ベジータ王家でも取り立てられても。すぐ子供に譲った。
あなた以外に仕えたくない、という自分の心に従って。
「…ほら出来ましたよ。」サイコロ状のベーコンとミニトマトや水煮の豆などを乗せたサラダと野菜のスープ、それと先程軽くトーストしたパンをだす。
「お前の相変わらず整ってるな。」
「どこぞの誰かさんが、栄養に関してうるさいですから。」俺のことだろ…、とカリグラはつぶやく。
「まあいい、いただくぞ。」ナエはカリグラが丁寧に食べていく光景を見て懐かしんだ。
「…あなたがいるから楽しいんですよ。」信仰心のような、でも歪んだ忠義心。久しぶりにご飯が美味いと感じる。
ーやれやれ、初めてですよ。敵(トワ)に感謝するのはー、ありがたい誤算だとナエは心から思った。敵から文句は言われそうだが。
「…お前、ニヤニヤして気持ち悪いぞ。風邪でも引いたか?。」
「あなた、わざと言ってますか?。」2000年後にブラックに対して気持ち悪いぞおめえという悟空のことがよぎりナエはいいかえした。非常にげせぬ、とおもったからだ。
「いや何コロコロとあのぶあいそな顔が変わるからな…」
「僕だって表情くらい変わりますよ。」
「…そうか?、常にぶあいそでつんつんしてるがな顔は。」
「なんですかその考えてる間は」
「記憶で思い出してた、やはりそんなに無いな。」
「ぶっ飛ばしますよ。」
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