手合わせ

「…指導してたのですか。」ナエは家へと案内しながら道中カリグラに話す。
カリグラの姿は先程の10代から、現在の姿へと変わっていた。
「何のことだー、まぁだがそうだな…後進を育てるのも乙なものかとな。」カリグラはクククッ、と笑いナエの質問に答えた。
「ベジータ王家の子孫ですよ?、あなたを殺した。」
「殺したのは奴らだが、仕組んだのは奴らで無い…。だが、見たくなったのだ奴らの希望をな。」
「あの男は成長するぞ、まっ先行投資というやつだ。」その言葉にナエはこの人たらしが、と心で悪態をつく。
「…楽しいなら何よりですよ。」
「ハハハ!、安心しろ。ちゃんとお前との時も楽しんでるからな。」
「それはいつもの事でしょ…」
「そうだな、だがこれからが楽しみではあるぞ。」つまらん起こし方をされた、と思っているが少しトワたちに感謝はしている。
「…ちっとは楽しめそうだからな。」恐らくおのれの目覚めから歴史はまた動き始めるだろ。いびつな歪みをもって。
「(タイムパトローラー……もしかしたら、奴らも来るかもしれんな)ナエ、おまえ単身用の広さしかないなら拡張しとけよ。」
「は?、なぜです。」
「お前の子孫が来るかもしれんぞ」
「は??」皇帝の元へは臣下が列を作る、そして帝の道を作るのが世の定め。
なので、彼の心を継ぐものたちが皇帝の元へと馳せ参じるのは当然だ。カリグラはそれを見越してナエへと告げた。
「楽しみだな、駒がそろうのは。」
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